山科疏水を歩いて豊川稲荷社に初参り

2009-01-04 01:04:05 | 琵琶湖疏水

   寒さのきびしい正月であるが、落葉の目立つ山科疏水を歩く人も多い朝である。今年の初参りも、第二トンネル東口洞門手前にある山科豊川稲荷社となり、そこで一本箸でかき混ぜながら熱い甘酒をいただくのが我が家の習慣となった。
   毎年同じ略縁起書をいただくが、「山科豊川稲荷社は、愛知県豊川稲荷社の分霊であり、福徳の神・開運隆盛の神・興産の神として古くから人々に崇められ、信仰されてきた」と記載されている。全国各地にある稲荷社の総本山である伏見稲荷大社も神社であり、神官が勤めているので山科豊川稲荷も神社かと思ったが、豊川稲荷社は曹洞宗の寺院であり、僧侶が勤めている。山科豊川稲荷社でもお参りしたとき、本堂で僧侶が読経していた。
   私の理解を整理してみると、通常稲荷社は寺院の鎮護を担当する神社として、寺院の境内に存在するが、豊川稲荷系の場合は稲荷社も寺院と同じ曹洞宗の寺院ということになる。両方とも赤い鳥居が存在しており、この区別には歴史的に理由があると想像する。
        
   お正月の間、甘酒がいただける山科豊川稲荷  朱の鳥居と注連縄が下る山科豊川稲荷

 山科豊川稲荷社は、現在の円山公園・音楽堂の東南の地にあった曹洞宗永興寺の境内に存在したが、大正7年ころに永興寺とともに、山科の地に移転してきたといわれている。
 山科疏水周辺には、安祥寺(真言宗)・護国寺(法華宗)・本圀寺(日蓮宗)・妙応寺(黄檗宗)・永興寺(曹洞宗)・瑞光院(臨済宗)・毘沙門堂(天台宗)と多くの宗派の寺院が存在するが、安祥寺・妙応寺・毘沙門堂以外は、琵琶湖疏水完成後に山科外から何らかの理由で移転してきた寺院である。山科疏水のまわりには新しい寺院を受け入れる広さの土地は残っていない。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2011-11-28 18:30:20
いいところですね。
返信する

コメントを投稿