平成10年(1998)頃から、琵琶湖疏水系の各所でブラックバスが遊泳しているという報道がなされるようになり、哲学の道沿いの水路でその姿を見つけたことを思い出している。
そのご琵琶湖では、バス釣の愛好者が増加して関連市場規模が大きくなり、特定外来魚指定の反対派と固有魚減少を心配する賛成派の間に論争が続いたが、釣ったバスを回収箱に集める運動が効果をあげてきており、また外来魚の生態研究も進んできて、少し話題性が少なくなったこの頃である。
釣ったブラックバスの有効利用法は多く発表されているが、海外では食用魚として利用されているし、サシミやテンプラにしても美味と紹介されているので、そのチャンスを求めていた。5年ほど前の新聞報道で、琵琶湖博物館のレストラン「におのうみ」で食べられるが、ブラックバスは養殖鯛よりも高価な高級魚なので、安くならないと紹介されていた。
その理由として、バスには特有の匂いがあり、浜上げ直後に三枚におろす必要がある。また季節によって漁獲量の変動が多く、とくに大型バスの安定確保が難しく食べられる食堂も減少してきていると報道されていた。
数日前に、琵琶湖博物館のフイールドレポーターをしている友人の案内で、博物館内の見学をしたとき、レストランの看板メニューとしてバスのテンプラを初めていただいた。
左上の皿がブラックバスのテンプラ
バスは白身で淡白な味をしており、とても美味であった。まだ試食していないが、「ふなずし」と同じ手法で作った「びわすずき」(バスはスズキ科の外来魚)も市販されている。ブラックバスが美味な食用魚として多用される時期はくるのだろうか?