京都府立植物園の花ハスを見学

2012-08-02 23:02:13 | 植物と動物

   気温が体温を越える暑さの毎日で、外出の機会が極端に少なくなるこの頃であるが、京都花蓮研究会が植物園で7月10~8月19日の期間「花ハス展示会」を開催しているという新聞記事に誘われて、家族3人で見学に訪れた。植物園の北山門入り口で、係員にベストコースを相談した結果、日射を避けて右手の針葉樹林への道を進み、途中から左手の「半木の森」への道に入り、半木神社を囲む最初の池に突き出した小屋風の展望コ-ナ-で「満開の白ハス群」を見学し、そのあと改装された「四季 彩の丘」に並べられた180種200鉢のハス(本日の花付きはよくない)を鑑賞するコースを薦められた。

 

    池に群生する白ハス 2012-07-27-4958                 鉢植えの赤ハスの大輪  2012-07-27-4963

 

 展示会場に「ハスは日本の花か?」というパネルがあり、“昔は、ハスの伝来は仏教の伝来とともにインドから日本に伝わったという説が有力であったが、2000年以上前の地層から蓮の種子が発見されたり、7000万年前の化石から発見された結果、現在ではハスは古来から日本でも自生していたと考えられている。しかし、稲作の導入で湿地帯の開墾や開鑿が進み、ハスの自生地が失われていった”と解説している。

  もう一枚のパネルでは、「ハスとスイレン」との違いについて解説している。“今までの考え方では同じスイレン科の植物として分類されていたが、近年の遺伝子配列による分類では、両者はかなり縁の遠い植物であることがわかってきた。

  また、ハスの根は“レンコン(蓮根)”といって食用しているが、スイレンの根にはハスのような穴は開いていないし、スイレンの葉には切れ目があるが、ハスの葉にはない。

  このように、植物の進化には環境の変化や共生する動植物の変化などから思わぬ変化が起こっている。東南アジアでは、ハスの花托(緑色)を野菜として生で食用する習慣があり、また出来た種子を土中で長期間発芽能力を保持できるよう堅い茶色の皮で保護されているという。ハス文化の広がりは各地に根付いていることを実感した。

 

 初期の緑色花托は食用に 2012-07-27―146                 堅い皮の穴にハスの実 2012-07-27-147