今日は所用を兼ねて京都府立植物園の梅を見学してきた。植物園の北山門から入って、右手の道を進み、水琴窟の指標のある近くに梅林がある。少し離れた梅林を含めて、60品種150本の梅の木があり、12月中旬から翌3月下旬まで梅花が楽しめるスポットである。
ここで紅梅と白梅と黄色のロウバイの開花を確認することができた。
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紅冬至と名付けられた紅梅 玉牡丹と名付けられた白梅
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満開に近いロウバイ
今日は比較的暖かい日であり、春の到来の近さを実感できた一日であった。
インクライン下の南禅寺舟溜りに白川が疏水に流れ込んでいる。白川は如意ヶ岳(大文字山)山系の水を集めてくるので、岩石の風化でできた白砂が集積する。この山系から台風や雪解け水などが大量に流れてくると、鴨東運河から鴨川への水路に影響が生じるので、夷川舟溜りから鴨東運河に並行して「白川放水路」(長さ74m、幅6m)が設置されているが、平常時には水流のない枯れ水路であった。ところが、今年1月7日に散策したとき、初めて鴨東運河に匹敵する水流が放水路に流れているのを見学することができた。
水流のない平常時の白川放水路 満水の白川放水路
この異常な水流の原因となる異常気象として山手に若干の降雪が観察されたが、今回の放水は第一疏水の定期停止に関係があるのかも知れない。
琵琶湖疏水系には、「白川放水路」の他に「伏見新放水路」、「扇ダム放水路」、「蹴上放水路」などがあり、緊急放水口として、「分線放水口」、「冷泉放水路」、「仁王門放水口」、「塩之小路放水口」、「三ノ橋放水口」などが設置されている。疏水の水は、天候に関係なく一定量流れるが、他の河川と交流・合流するところには異常気象発生時のために細かく配慮されているのである。
今年最初の時代祭展が岡崎の「みやこめっせ」で開催されている。時代祭展は昨年4月にスタートしてから七回目(09-01-04から09-02-08まで)となる。行列の最初が明治維新列であり、江戸時代・安土桃山時代と逆に遡って、今回は室町時代-Ⅰ(室町幕府執政列)であり、今年末に十四回目の神幸列で最後となるから、ちょうど中央となる。
室町時代とは、京都の室町(上京区)に幕府が置かれたことに由来した名前で、足利尊氏が北朝を擁立して幕府を開いた1336年から、15代将軍義昭が織田信長によって追放された1573年までの273年間をいうから、足利時代とも呼称される。
配布された上記資料より今回の展示の特徴を紹介すると武家風俗を中心とするもので、足利将軍以下当時の武士の軽武装姿を忠実に再現したものである。騎馬小具足姿の足利将軍に、幕府の執政にあたる三管領・四職の主要氏族が御供衆として従い、また、公家・法中・御博士・医師など他の列にない特色ある風俗を表現したものである。
資料には詳細な説明がついており、展示された実物と対比して見学(無料)できるので、ぜひ楽しんでほしいと思う。
寒さのきびしい正月であるが、落葉の目立つ山科疏水を歩く人も多い朝である。今年の初参りも、第二トンネル東口洞門手前にある山科豊川稲荷社となり、そこで一本箸でかき混ぜながら熱い甘酒をいただくのが我が家の習慣となった。
毎年同じ略縁起書をいただくが、「山科豊川稲荷社は、愛知県豊川稲荷社の分霊であり、福徳の神・開運隆盛の神・興産の神として古くから人々に崇められ、信仰されてきた」と記載されている。全国各地にある稲荷社の総本山である伏見稲荷大社も神社であり、神官が勤めているので山科豊川稲荷も神社かと思ったが、豊川稲荷社は曹洞宗の寺院であり、僧侶が勤めている。山科豊川稲荷社でもお参りしたとき、本堂で僧侶が読経していた。
私の理解を整理してみると、通常稲荷社は寺院の鎮護を担当する神社として、寺院の境内に存在するが、豊川稲荷系の場合は稲荷社も寺院と同じ曹洞宗の寺院ということになる。両方とも赤い鳥居が存在しており、この区別には歴史的に理由があると想像する。
お正月の間、甘酒がいただける山科豊川稲荷 朱の鳥居と注連縄が下る山科豊川稲荷
山科豊川稲荷社は、現在の円山公園・音楽堂の東南の地にあった曹洞宗永興寺の境内に存在したが、大正7年ころに永興寺とともに、山科の地に移転してきたといわれている。
山科疏水周辺には、安祥寺(真言宗)・護国寺(法華宗)・本圀寺(日蓮宗)・妙応寺(黄檗宗)・永興寺(曹洞宗)・瑞光院(臨済宗)・毘沙門堂(天台宗)と多くの宗派の寺院が存在するが、安祥寺・妙応寺・毘沙門堂以外は、琵琶湖疏水完成後に山科外から何らかの理由で移転してきた寺院である。山科疏水のまわりには新しい寺院を受け入れる広さの土地は残っていない。