JR湖西線「大津京駅」の発足について

2008-05-26 07:20:00 | その他

 最近では古くから使われてきた駅名を観光目的で変更する動きが全国的に広がっているが、京都・滋賀の駅名変更の話題3件について紹介する。
1) 京福電鉄の例
 昨年3月、京福電鉄は開業百周年記念行事の一つとして、全20駅中の7駅の名称を一挙に変更して世間を驚かせた。京福電鉄の嵐山本線・北野線には難しい名の駅が多かったが、使い慣れた歴史を刻んだ名称の変更については違和感を持った住民が多かった。しかし、観光客の増加が経営面での最大の課題であった京福電鉄の願望は実現された。                                                                        
       旧名                 新名                              
   太秦   (うずまさ)      →  太秦広隆寺 (うずまさこうりゅうじ)
  車折   (くるまざき)      →  車折神社   (くるまざきじんじゃ)
  竜安寺道 (りょうあんじみち)→   龍安寺    (りょうあんじ)
  御室   (おむろ)       →   御室仁和寺(おむろにんなじ)
  高雄口  (たかおぐち)    →   宇多野    (うたの)
  三条口  (さんじょうぐち)  →   西大路三条(にしおおじさんじょう)
  嵯峨野駅前(さがのえきまえ)→   嵐電嵯峨   (らんでんさが)            

2) 京阪電車の例
 今年の10月19日から京都中心部の3つの駅名が変更されることになる。この変更は下表に示すように旧駅名に近隣の寺社名を乗せた変更であるが、大きい反対運動は無かったようである。私は、鴨東運河の散策ルートとして京都地下鉄蹴上駅(京阪・阪急・JRに直結)から入って京阪丸太町(京都地下鉄・阪急・JRに直結)から帰るコースが混雑を避けることができると考えていたので、疏水の観光面では期待できそうである。
 また四条駅と五条駅の名は、京都地下鉄に同名の駅が存在し、混同を避けるという理由も掲げられた。                                                     
      四条駅 →  祇園四条駅  (祇園に近い)
      五条駅  →  清水五条駅  (清水寺に近い)
      丸太町  →  神宮丸太町駅(平安神宮に近い)

3) JR湖西線の例
 JR湖西線の西大津駅と雄琴駅の名称が今年の3月15日から変更された。この名称変更の問題(西大津駅)については、9年前から地元の住民の要望として動きがあり、平成16年には改名問題が大津市議会にて満場一致で採択され、JR西日本に対し要望を続けた課題であった。また、西大津地区は琵琶湖疏水の取水口のある場所で、疏水を“大津京と平安京を結ぶ水の道”と位置付ける「琵琶湖疏水とさざなみの道の会」という大津のグループとも交流があったので、「大津京」への改名は望ましい課題であった。
 ところが、JRとの交渉がまとまり実行段階になって、「大津京」の呼称は学術的に問題があるという反対論が出て大きい話題になった。両派の学者も登場する論争になったが、改名の方針は変わらず、今年の3月15日に両駅において記念式典が行われた。                                                     
      旧名         新名          
     西大津駅  →   大津京駅
     雄琴駅    →   おごと温泉駅  

          
          大津京駅の改札内広場にある                             おごと温泉駅前に新設された
            鈴木靖将氏の万葉絵画                                    無料足湯施設

 私は平成7年に「JR神足(こうたり)駅」が「長岡京駅」に改名し、歴史都市として順調に成長してきたと同地に住む友人から聞いている。また近鉄奈良駅周辺では平城京遷都1300年(2010)記念として「平城京駅」の設置が検討されていると聞く。また、ネット上の話題ではあるが、「京都駅」を「平安京駅」に改名してはどうかの提案もある。
 今後西大津地区が「大津京駅」の名にふさわしい町として成長していくことを心から期待している。


平成20年6月度のホ-ムペ-ジ項目

2008-05-19 21:05:09 | 琵琶湖疏水

 ホームページ(http://www.geocities.jp/biwako_sosui/)6月度分として下記5件を投稿しましたので、お立ち寄りください。

289話  分類:技術・技術全般26項(C-03-26)    08-04-23記
        題名:十石舟と三十石船の話題(2)
        要旨:琵琶湖疏水舟運の歴史と全国舟大工の統計資料

290話  分類:技術・建設工事16項(C-01-16)    08-04-28記
        題名:第二疏水の建設工事資料
        要旨:第一疏水と第二疏水の比較と工事関係資料の紹介

291話  分類:散歩道・鴨東運河15項(B-04-15)   08-05-08記
        題名:岡崎公園・京都市勧業館の歴史
        要旨:主な全国博物館の歴史と京都市勧業館「みやこめっせ」の歴史

292話  分類:散歩道・鴨東運河16項(B-04-16)   08-05-09記
        題名:岡崎公園内にある記念碑の紹介(1)
        要旨:京都の文化ゾーンである岡崎公園にある各種記念碑の紹介

293話  分類:文化・観光開発4項(F-04-04)      08-05-12記
        題名:経済産業省が近代化産業遺産を認定    
        要旨:京都(琵琶湖疏水)・滋賀(伏見舟運)関係の認定項目の解説


岡崎公園も電柱地中化

2008-05-16 11:58:27 | その他
 昔は欧米の観光地を見学するとき、日本人ガイドは“電柱と電線が見えない”と説明してくれたし、欧米から日本にきた観光客は電線が多いと驚いた。観光立国を一つの柱とした日本も電柱地中化問題に取り組み、昭和61年度から平成10年度までに全国で3400kmの地中化の実績を重ね、平成11年度からは幹線道路や歴史的町並み保存地区などに重点を置いて、最近までに累計5500kmまでに至ったが、これで全国幹線道路の9%の達成率に過ぎない。
 京都市の例(新聞情報)を示すと現在48km達成の段階であるが、1kmの地中化工事の概算費用は7億円であり、そのうち関西電力やNTTなど企業に2億円を負担していただき、残りの5億円の半分を国が負担し、京都市は2.5億円を負担しているのが現状のようである。数日前発表された京都市補正予算案をみると、東山区の産寧坂地域などで6.56億円かけて電柱地中化を実施する計画となっている。
 京都の岡崎公園の主要道路も地中化工事か実施され景観がきわめてよくなったが、従来電柱についていたトランスが地上に残されている。
        
  岡崎公園の二条通の幹線部は電柱なし       電柱についていたトランスは地上へ
 上述したように、地中化には道路沿いなど30~40mごとに変圧のための地上設備が必要となり、沿線住民は総論賛成であるが門前の設置になると理解を得にくいようである。京都市では新景観政策のために10年間に5000億円を投入する計画を持っているが、必要な資金を特別措置法(国の資金)で確保できるかどうか鍵といわれている。
 電柱地中化の効果は景観のみでなく、災害対策でも重要といわれている。阪神淡路大震災で埋設管路の被害はきわめて少なかった。また各種建設工事や補修工事面でのメリットも大きい。実現には多くの問題があり、インフラ設備は多額の投資が必要であるが、問題点を解決し投資を続けてほしいと思う。

ハナカタバミの繁殖力

2008-05-12 17:29:51 | 植物と動物

 昨年9月中旬にカタバミの球根3種をいただいた。私の記憶の中でカタバミといえば繁殖力が強く、市販の除草剤では枯れない雑草という知識しかなかったので、30×40cm角のプランターに植えたところ、2ヶ月くらいで花が咲いた。
 情報検索で調べた結果、江戸時代に伝来した多年生植物で、原産地はアフリカなど温帯・亜熱帯地区であるが、日本では帰化して耐寒性といわれている。カタバミ属には500種以上あり、球根を持つものはオキザリスの名で知られている。推定を含めていただいた3種の球根の特性を示すと
花の色             名前(推定)          球根長さ     草丈
黄色      オキザリス・セルヌア      2cm前後   20~30cm 
白・桃の縞  オキザリス・パーシカラー    1cm以下    10cm以下 
白色      オキザリス・ブルブレア     1cm前後   10~15cm

   一番驚いたのは黄色で、球根1株から地下茎が伸び、花茎が十数本も出て、その1本に花芽が数ヶ月かけて10~20ヶ咲き、12月中旬から翌4月中旬まで咲き続けた。
  
  4月22日に撮った黄色カタバミの花        一個の球根から十数本の花茎

   この花を咲かせるには太陽の光が必要で、曇りや雨の日はしぼんでしまう。私の場合はベランダ栽培で、場所や陽射しが終日期待できる場所は少ないが、柔らかい黄色の季節の花として我が家に定着させたいと思っている。
   白色と白・桃の縞模様の球根は、花期が黄色より少し早く球根も小さく、大きいプランターの中で存在感がなかった。来年は小さい鉢を用い、きれいに咲かせて写真を紹介するつもりである。


京旅協主催のエコツアーに参加

2008-05-06 17:16:07 | その他

 岡崎十石舟運航でお世話になっている京都府旅行業協同組合が「エコツアー」と題したバス旅行を企画したので参加させていただいた。エコとはエコノミー(経済)でなくエコロジー(環境)の問題を取り上げたもので、見学先は5ヶ所あったが、とくに興味があった次の2ヶ所を紹介する。

1)廃テンプラ油の燃料化施設の見学
 家庭で使用済みの汚れた廃テンプラ油(植物油)を集めて加工し、環境にやさしい「バイオジーゼル燃料」を製造する工場(伏見区横大路)を見学した。在職当時、化学プラントのプロセス設計が本職であった私にとって、久し振りの工場見学であった。設備規模は10~15立方メートルの小型工場であったが、自治体が運営する施設としては国内最大規模の精製能力であると説明を受けた。
 テンプラ油の組成は脂肪酸のグリセリンエステルで、触媒とメタノールを加えて加工し、環境にやさしいメチルエステルに転換するものである。最も難しい課題は、個別の家庭で発生した廃テンプラ油を集める方法で、各地域ボランティアの方々の協力下に各回収拠点にポリタンクを設置して毎月回収している。現在拠点数は1250ヶ所でありプラントの稼動率は1割強であるが、今後の拠点の拡大を目指している。このためには市民・行政・事業者間の連携を固め、地球温暖化防止を目指して取り組む必要のあることを深く感じた。

2)生ごみ発電のモデル実験設備設備の見学
 5月1日付の新聞で、京都市が10月から生ごみを利用したバイオガスで発電するリサイクル事業のモデル実験を開始すると大きく報告されたが、その翌日この設備を見学するチャンスに恵まれた。これは家庭ごみの減量と二酸化炭素排出量削減を狙ったもので、10月から市内2000世帯を対象に家庭ごみから生ごみを分別回収し、メタン発酵でメタンガスを発生させ、改質装置で水素ガスとして発電に利用するプロジェクトである。
 市の計画では2013年に伏見の南部クリーンセンターに日量60トンの処理施設を建設し、対象を10~12万世帯に広げることを目指している。プラごみの分別で家庭ごみの減量効果を実感したが、家庭ごみの40%を占める生ごみの分別効果は大きいと期待される。大都市では例の少ないこの計画に全面的に協力したいと感じた。

 今回のツアーは地球温暖化ガス排出量の削減問題を実感できるものとしてきわめて有意義なものであった。関係者に感謝する次第である。


蹴上浄水場のツツジ見学

2008-05-04 12:28:43 | 植物と動物

 蹴上浄水場(地下鉄蹴上駅の2番出口のすぐ上)はツツジの名所として知られ、5月の連休ころに無料公開されるが、今年は5月1日~4日であり私は2日と3日の両日見学した。今年のツツジはちょうど見ごろで、天候にも恵まれ終日賑わった。浄水場にあるツツジの本数については例年4~6000本と発表されていたが、今年は約7000本と発表され、その代表的種類別内訳として、オオムラサキツツジ(赤紫色の花を咲かせる代表的なツツジ)とリュウキュウツツジ(白色の小ぶりな花が特徴)を合わせて約3400本、キリシマツツジ・クルメツツジ・ヤマツツジ(ピンク・赤中心の色鮮やかな小さい花)を合わせて約1000本、ドウダンツツジ(白色の釣鐘のような小さい花が特徴)が約200本、サツキツツジが約2100本と写真入り資料が準備されていた。
      
       オオムラサキツツジと推定           リュウキュウツツジと推定
                   
                  東斜面に見られる未開花はサツキツツジか?
             
 ツツジの時期になるとサツキとツツジの区別が話題になるが、サツキは正確にいうとサツキツツジで両方ともツツジ科の仲間であるが、ツツジの野生種はわが国に30種以上、園芸種は1500種以上といわれている。
   情報を集約してみると、ツツジとサツキとを外見的に区別する方法として、
              ツツジ           サツキ                    
    花期   4月中旬~5月上旬     5月中旬~6月中旬
     花数   一つの枝に複数の花     一つの枝に一つの花
     順序   新葉より花が先に咲く    葉が出てから花が咲く
     種類   ツツジは落葉樹        サツキは常緑樹
     葉裏   裏がザラザラ          裏は光沢がある
     花弁   大きさはサツキより大    一般にツツジより小
     小枝   少ない             多い
     高さ    高く成長する         低いものが多い                   

など紹介されていたが、現時点での知識では自信のある判別は難しく感じた。蹴上浄水場の敷地は約11万平方メートルあり、7種類のツツジとサツキが植えられている。専門職の手によって管理されているので、集団の美を楽しむ場所として京都の指折りの地であるが、長岡天満宮のキリシマツツジのように単独の美を楽しめる場所もあり、勉強を重ねてツツジ・サツキをもっと深く楽しめるようになりたい。