第14回世界湖沼会議が米国テキサス州で開催

2012-01-06 15:26:28 | その他

  昨年10月31日から11月3日まで、掲題の会議が米国テキサス州の州都オ-スティン市で開催され、世界39ヶ国から約500人の研究者や行政担当者が参加した。
  この世界湖沼会議は、日本の滋賀県が提唱して昭和59(1984)年に大津市で第1回会合が開催された日本発の国際会議で、ほぼ2年ごとに世界各地で開催されてきたが、日本では、第1回(1984)に続き、第6回(1995)茨城県つくば市・土浦市、第9回(2001)滋賀県大津市の3回開催されている。
  この国際会議の開催議事や報告内容は、ネットでその詳細に接することができ、貴重な情報源となっているが、今回は日本の琵琶湖保全の先進性が注目され、「統合的湖沼流域管理(ILBM)」の重要性を訴える宣言を採択して閉幕した。
  ILBMとは「湖沼を隣接する地域だけで保全の努力をしても、水が流れ込む上流域と流れ出る下流域の協力がなければ、水質や水量の維持は難しい。情報の統合管理が必要である」との思想のことで、研究者出身の滋賀県嘉田知事は「琵琶湖総合開発事業の取り組みで、効果的な利水と洪水の減少が実現した」(京都新聞記事引用)と発表した。
 この宣言は、2012年6月にブラジルで開催される「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」で議論検討すべき課題となるよう努力ことを盛り込んだ。
 また、嘉田知事は「湖沼会議の父」と呼ばれる琵琶湖研究所の初代所長・吉良竜夫が、開催直前の2011∸07∸19に逝去したことを報告し、その貢献に感謝した。

 「琵琶湖ハンドブック」によると、世界には数百万個の湖があり、面積500平方km以上の「太湖」は253(うち淡水湖は188)存在するが、琵琶湖は日本唯一の「大湖」で、淡水湖の面積順位は129番目にあたる。琵琶湖の貯水量は275億トンあるが、琵琶湖淀川系には1400万人の住民が生活しており、その水管理のレベルの高さが世界の注目を集めている。世界湖沼会議で報告される各国の話題を読むと、水にかかわる題が多岐にわたっており、きわめて難しい問題を抱えていることがわかり、世界湖沼会議や世界水フオーラムなどでの国際討議の重要性を再認識することができた。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿