「てめぇのせいだぞ、このやろうぅ。けりぃつけてやる。表へ出ろ!」
「おおうぅ!いいだろう!やったろうじゃねぇの!」
そう怒鳴り合うと、にらみ合ったままカウンターを離れ出口に向かい、縄のれんをくぐって外に出ると、扉を勢いよく閉めた。
その直後、酔っ払い二人の叫び声が店内にも聞こえてきた。
「うおりゃー、てめぇ、前から気に食わなかったのじゃぁー」
「うるせぇ!おめぇこそなんじゃそりゃー」
(がちゃん、ぼこん)
なにかぶつかるような音も聞こえてくる。
今や、店内ではあっけにとられて眉までへの字に曲げた店員だけでなく、大半の客が聞き耳を立てて騒動の成り行きを聞いていた。
しばらくすると、声も物音も聞こえなくなった。
はっと我に帰った店員は、やっとけりがついたのかと思いつつも、怪我をされていても困ると思い、店の扉を開けて恐る恐る外に首を出してみた。
いつもどおりの路地がある。店の看板もいつものままだ。二人の姿はどこにもない。人通りも数人だが、何事もなかったように通り過ぎていく。
外気が顔に心地よい。
店員の口がへの字から、アルファベットのオーの字に変わった。
店員はひたいに手をやって叫んだ。
「あちゃー、やられたぁー、食い逃げだ~」
「おおうぅ!いいだろう!やったろうじゃねぇの!」
そう怒鳴り合うと、にらみ合ったままカウンターを離れ出口に向かい、縄のれんをくぐって外に出ると、扉を勢いよく閉めた。
その直後、酔っ払い二人の叫び声が店内にも聞こえてきた。
「うおりゃー、てめぇ、前から気に食わなかったのじゃぁー」
「うるせぇ!おめぇこそなんじゃそりゃー」
(がちゃん、ぼこん)
なにかぶつかるような音も聞こえてくる。
今や、店内ではあっけにとられて眉までへの字に曲げた店員だけでなく、大半の客が聞き耳を立てて騒動の成り行きを聞いていた。
しばらくすると、声も物音も聞こえなくなった。
はっと我に帰った店員は、やっとけりがついたのかと思いつつも、怪我をされていても困ると思い、店の扉を開けて恐る恐る外に首を出してみた。
いつもどおりの路地がある。店の看板もいつものままだ。二人の姿はどこにもない。人通りも数人だが、何事もなかったように通り過ぎていく。
外気が顔に心地よい。
店員の口がへの字から、アルファベットのオーの字に変わった。
店員はひたいに手をやって叫んだ。
「あちゃー、やられたぁー、食い逃げだ~」