★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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手回しニッポン(20)

2009年12月01日 | 短編小説「手回しニッポン」
 殺到する注文に対応しながら、山崎は考えた。
 自己発電型エアロバイクの発電能力は、思いのほか高く、20台導入した金星市民体育館では、照明設備から冷暖房設備にいたるまでの全消費電力の、実に半分の電力を安定的にまかなうことができた。これに毎日できる行列分の人数を加算すれば、体育館の電気を余裕を持って丸ごと人力で賄うことができる程である。
 今までエコ発電と言われてきた自然エネルギーを利用した方式は、太陽光にしろ風力にしろ自然の影響をモロに受けるため電力供給源としては不安定だった。それに比べ自己発電型エアロバイクは、人力発電のため人数さえ確保できれば、安定した電力源となる。発電量も文字通り人の手で自在にコントロールできるのだ。