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修学旅行生と観光客とお土産を満載したJ○○5○○便。
機内の一般乗客は前方数列のみ、残りの席は全て修学旅行の中学生とその関係者です。

気象条件が悪く、伊丹空港に着陸を変更する可能性もあるとアナウンスがありました。岡山空港は結構山の上にあるからすぐ雨雲にすっぽり覆われちゃうんだろうな、困ったものだ全く。
周囲の様子が霧で何も分からない中、山間部の空港に降下してゆくのは、なかなか手に汗握ります。

深い霧に包まれた空港に何度か着陸を試みた後、長時間の上空待機となりました。
この間、気分が悪くなる生徒もいて、後ろの方はなかなか大変な様子です。


「もし伊丹に向かったら修学旅行の子供たちはどうするんだろう?」
「まぁ何とかなるさ、若いんだし。」
「引率の先生や添乗員さんは気が気じゃないだろうね。今後の対策が頭の中をグルグル回っているかしらん。」
「プロなんだから、こんな時のマニュアルくらいあるだろ。」


「まさかとは思うけど、修学旅行ご一行が機長の判断を誤らせるってことは無いよね? 便宜を考えて濃霧の中、着陸を強行するなんてことは…。」
「それはまずあり得んだろ。 それより天候の回復を待ち過ぎての燃料切れだけは勘弁してほしいな。往復できる燃料を積んでいるらしいけど、もうかなり長時間待機しているし、これから伊丹に向かっても同じような状況だったらと考えると…ちょっとね。」

様々な思惑を乗せながら、飛行機は相変わらず上空をゆっくりと旋回しています。





「天候の回復が見込めないため、当機は着陸を断念し伊丹空港へ向かいます。」


「やったー!」
後ろの方で生徒の歓声が上がりました。
kamokamoもホッとするやら途方に暮れるやら、チョット複雑な心境でした。


あれよあれよという間に伊丹上空。
低い雲の中に入ると、飛行機自身が前方に発する強い光に周囲の濃い霧が白く明るく輝き、今まで目にしたこともない美しい光景です。 かぐや姫のお迎えも、こんな光に包まれて降下して来たのかもしれないな…。

お~~っっと、窓の外に広がる茫洋とした幻想にうっとり見とれている場合ではありません。
すわっ、もしや伊丹も同じ状況か? と我に返った矢先、真下に町の灯りが見え始めました。雲と地面のわずかな隙間を縫っての低空飛行で、高層ビルがあったらアウトかもでした。


一般乗客は新大阪行きの空港バスと新幹線の引換券をもらい、当惑しながら帰路につきました。

「いつになくお天気にも恵まれた旅だったけど、最後にとんでもないどんでん返しだね。やっぱり100%完璧という状態などなかなか無いね。」
「まぁ人生プラスマイナス0なら御の字ってとこかな。」


修学旅行の皆さんは、その後どうなったのだろう?

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