万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

ナップ夫妻「ブライトイメージ」の万華鏡映像

2007-04-09 17:49:34 | 万華鏡ブログ
今回ご紹介するのは、ナップ夫妻の「カザーム」のブライトイメージの映像です。ほとんどの作品にブライトイメージとパステルイメージの2種類を提供する方法は彼ら特有のものです。だからといって2種類の映像しかないのではなく、万華鏡の種類により、ミラーシステムに合わせて、オブジェクトの大きさや組み合わせは異なっています。
黒い背景に生きるガラスオブジェクトの研究を重ねた結果、シェリーさんは、トレードマークの「ストリンジェリニー」Stringerinies と「ルチニス」Lucinisと名付けられたオブジェクトまで生み出しました。
カザームという作品にはこの両方が含まれていますが、特に細いラインを表現する「ストリンジェリニー」が効果的に使われていて、繊細さを感じさせる映像になっています。「ルチニス」は逆にしっかりした質感を感じさせるオブジェクトで、光を通さない白が、効果的なアクセントになっています。ブライトイメージのオブジェクトにはグリーン、オレンジ、黄色、赤、青などが使われていますが、透明感のあるガラス、ダイクロイックガラスなどと組み合わさって、やわらかな印象となり、意外と落ち着きのある映像です。私は、今まではどちらかというと、パステルイメージの方が好きかなあと思っていましたが、今回のブライトイメージの映像もとても気に入り、見れば見るほどさまざまな表情で現れてくる絶妙なバランスの美しさ、面白さに感動しました。
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木目が美しい万華鏡

2007-04-08 16:23:09 | 万華鏡ブログ
木目のユニークな万華鏡はランディー&シェリー・ナップ夫妻の「カザーム」という作品です。
ランディーさんは、国内外のさまざまな木材を使って万華鏡を制作なさっていますが、これは、地元オレゴン州で産出するマートルウッドの節のある木材を使っています。この木材は木目が美しく、その表情がバラエティーに富んでいるのが特徴です。
「カザーム」という作品は定番作品として、木材にあわせて制作する方法を採っているようです。ですから同じタイトルでも、木材の種類によって万華鏡の外観の雰囲気が全く違ってきますし、同じ木材でも瘤や節のあるものが面白いとされるので、表情が全く同じものはまずありません。
仕上げの美しさ、手になじむ木材の質感、オブジェクトセルの滑らかな回転などにその優れた特徴を見出すことができますが、自分たちが制作した万華鏡が、いつまでも長く楽しんでもらえることを目標に技術を磨いてきた作家さんの実力を実感できる作品です。もちろん内部の映像もこだわりの作品です。また次回にご紹介したいと思います。
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シンビオプティックの内部映像

2007-04-06 22:25:51 | 万華鏡ブログ
シンビオプティックの映像には、今までになかった新しい一面を表現しようと、ランディーさんとシェリーさんがそのバーナーワークの技術を駆使してオブジェクトを創り上げました。ランディーさんは木工作家として活躍中ですが、最初に取り組んだのはガラスだったので、ガラス工芸にも造詣が深いのです。イタリアから輸入したガラスを加工して作られたオブジェクトは独特の質感があり、光を受けて彩りと深みを表現しています。黒い背景のオブジェクトセルを早くから使っていたナップ夫妻ですが、その美しい映像は多くの人を惹き付けてきました。その進化はまだまだ留まることがないようです。
この作品はオブジェクトセルがこれまでの手持ち型万華鏡に比べて大きいので、オブジェクトの大きさにも幅ができました。 オイルセルの流れるような映像展開に加えて、大きくくっきりとした映像が迫力を持って迫ってくる作品でもあります。映像が壊れながら生まれる醍醐味こそがこの万華鏡の持ち味だとすれば、1枚の写真では不十分ですが、その雰囲気が少しでも伝わるでしょうか。この限定版シリーズも他のナップ夫妻の作品と同様に、映像タイプとしてパステルイメージとブライトイメージがあります。この写真はパステルイメージの作品です。
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19年の想いを万華鏡に託して

2007-04-05 20:11:05 | 万華鏡ブログ
この作品はランディー&シェリー・ナップ夫妻の新作「シンビオプティック」Symbiopticという万華鏡です。英語のSymbiosis(共生、特にその結びつきが互いのためになるようなあり方)と万華鏡に必要なOptic(光学)を合わせたナップ夫妻の造語です。
19年にわたって二人で創り上げてきた万華鏡の集大成のような位置づけで、このような名前になったようです。これからは、大量に同じ作品を制作することは止め、少しずつの限定版作品やいくつかの非限定の作品、一点ものなどを創り、コレクターを満足させる高品質な作品を発表していくという姿勢を示しています。
この作品も11個のみの限定版で、丁寧に作られた高品質な作品であることは、持っただけで分かります。大変滑らかな手触りの木材は、地元のオレゴンカエデ材からランディーさんが切り出したもの。最終的に手でよく磨くことで生まれたその美しい木目の表情が魅力的です。
オブジェクトセルは手持ち型にしては、かなり大きめで、パーラータイプと同じくらいの大きさです。回転の滑らかさは他に類をみないほどで、ここにもランディーさんのこだわりを感じます。セルを回転させる時に手で持つ部分のアルミニウムも美しく処理されて、木材を飾るアクセントとして活きています。
またローズエンジンという旋盤による装飾もナップ工房の作品の大きな魅力で、オブジェクトセルの先端部分(黒い背景になっているところ)にもその模様が見えています。美しい内部映像は次回にご紹介する予定です。
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素材は何?という万華鏡デザイン

2007-04-03 20:18:32 | 万華鏡ブログ
素材は光沢のある金属と鏡というユニークな作品をご紹介します。ピーター&スキーター・ディマティア夫妻のデスクトップシリーズの一点です。
デスクトップシリーズでは機械や自動車の部品などの半端品や残り物を、工場や資材置き場で見つけてきては、組み合わせて、万華鏡のデザインに取り入れています。由来や本来の使い道のわからない素材もたくさんあるそうですが、自由な発想で一点ものの作品を作り出します。万華鏡のサイズは10cm前後、先端のオブジェクトチェンバーは、ドライタイプで、回転する仕組みになっているのが共通しています。
ミラーシステムはいろいろ使い分けていますが、この作品は狭い角度の二等辺三角形に組んだ3ミラーシステムで、スキーターさんの作る鮮やかなガラスオブジェクトが多彩な色模様を演出します。
この作品で使われているのは「レイルロードスパイク」です。鉄道のレールを枕木に固定する釘だそうで、それをクロームめっきしたものを、蚤の市で見つけたとか。穴を開けて万華鏡を取り付け、鏡の上に固定しています。彼らの手にかかると何でも万華鏡になってしまいそうです。そういえば、ビールやワインのボトルから哺乳瓶まで万華鏡にしてしまうのもこの二人なのです。
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鉄パイプの中の映像世界

2007-04-02 20:04:25 | 万華鏡ブログ
断面が正方形で、一辺がわずか17ミリ、全長85ミリの黒い鉄製のパイプの中に、こんなきれいな世界があるなんて!と誰もを驚かせるのは、ピーター&スキーター・ディマティア夫妻の小型万華鏡「アステロイド」です。天文にちなんだ名前がつけられている小型万華鏡シリーズのひとつで、「小惑星」という意味だそうです。
四角い筒に正方形の4ミラーシステムが入った、基本に忠実な作りで、飾り気も無駄もないすっきりとした姿が潔い作品です。鉄製なのでさび止めのコーティングはしていますが、鉄の素材がそのままというのもユニークです。
無機質な外部とは対照的に、内部は透明感のある、色鮮やかなガラスオブジェクトの生き生きとした躍動感を感じる映像です。
正方形に組んだ4ミラーシステムでは、上下左右に正方形のパターンが繰り返しますが、隣り合うパターンから生み出される反射映像の作る模様が面白くて、見飽きることがありません。手のひらに収まる小さな鉄パイプの中に思いがけず広がる映像世界に魅せられ、いとおしく思ってしまう万華鏡です。
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色の饗宴を楽しむ万華鏡映像

2007-04-01 16:10:29 | 万華鏡ブログ
3月8日に「蝶をデザインした万華鏡」としてご紹介したスー・リオさんの新作「マリポサ」の内部映像の一つです。
この作品は2ミラーシステムと3ミラーシステムを内蔵し、上下にふたつのアイホールが付いています。
拡大レンズの使用で大きくダイナミックな2ミラーの映像は、またしても写真には納まりきれませんでしたが、大きなアイホールを覗くと、鮮やかで豊かな色合いの大きな映像に圧倒されます。ダイクロイックガラスがオブジェクトとして映りこんだときに見せる妖艶な表情が魅力的です。
ダイクロイックガラスを重ねたり、質感の違うガラスをフュージングしたオブジェクトを、装飾はんだで飾り付けたドラムは見た目も華やかですが、美しい蝶の羽を思わせるような青や紫は、ミラーシステムを通してこそ妖しく輝き、その映像に万華鏡の醍醐味を感じることができます。
3ミラーシステムで見る映像はまた違った趣があり、気に入ったところでドラムを回す手を止めて見入ってしまいます。昨日ご紹介した「スリバー」とは趣の違う、豊かな色の饗宴を見せてくれる作品です。
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