IKA展に出品された佐藤元洋さんの万華鏡「螺鈿(らでん)パーラータイプ」です。パーラータイプというのは、万華鏡を支えるスタンドや台が一体となって組み込まれたもので、手で持って覗くタイプと区別するための呼び方です。手で持ち上げることなく、ゆっくりと覗くことができ、そのトータルなデザインが、手持ち型に比べ、より評価されるタイプといえるでしょう。佐藤さんの吹くガラスは明るい透明感のあるものも素敵ですが、この螺鈿シリーズはまた違った雰囲気で魅力的です。黒のガラスを加工する過程で銀箔を巻き溶着させ、そのガラスを吹くことによって銀箔に細かく亀裂が入って、このような模様になるそうです。この万華鏡の特徴は、そのオブジェクトセルにあります。今回はドライタイプ、3ミラーシステムで、先端のセルの回転がスムーズです。今までのパーラータイプは、オブジェクトセルを外から支える部品もデザインの中に組み込まれていましたが、今回は、本体にベアリングのシステムを内包しているので、セルを支えるものがなく、すっきりとしたつくりになっています。この技術をマスターしたことで、さらにパーラータイプの可能性が広がったということですので、これからがますます楽しみです。日本では初めての吹きガラスの万華鏡作家として、技術的な限界にも挑戦し、どんどん進化なさっている作家さんだと思います。
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