今日はデヴィッド・スギッチさんの作品をご紹介します。ステンドガラス製のワンドスコープや、3D映像を生み出すミラーシステムが特徴の作家です。1月25日から始まるプレリュード 展(*)でも作品をご覧になれます。
(*)プレリュード展は5月に開催される2017BKS万華鏡世界大会のプレイベントとして、1月25日~2月19日まで東京国際フォーラム内のアート・フォーラム・ショップで開催される万華鏡展で、世界大会参加予定の作家の作品が展示・販売されます。
上の映像はNova Hexagonal という作品の映像です。 ヘクサゴナルというのは6つの辺からなる図形で、この映像の青くて太いラインが作る形を意味しています。この太いラインは外側のステンドガラス面に組み込まれたワンドを内側からテイパードミラーシステムで映し出したもの。全体が球体になっていて、立体的に見えます。
先端部はガラスの球体で、周囲の模様を取り込むレンズの役割をします。装飾はんだできれいに飾り付けています。
そして白いガラスの面は光を通します。虹色の立体的な細いラインが浮き上がるのは、白い面に光を受けるように持った時です。
白い面にライトを当てて動かしてみると、見える景色がダイナミックに変わります。
光と鏡とちょっとした仕掛けでこんなにユニークで迫力のある映像世界が見えるのが面白いですね。写真以上に実物は迫力があります。 スギッチさんのカレイドスコープはオブジェクトはほとんどワンドタイプです。 バーナーワークで創るオブジェクトに力を注ぐ作家さんも多い中、彼はミラーシステムで勝負するタイプです。ミラーのマジックを楽しみ、覗いた人が驚く、そんな作品をいろいろ生み出しています。
スギッチさんの定番はワンドをオブジェクトとし、その流れをミラーシステムを通して楽しむものです。緑色は「イン・ヤン」という作品で、ひし形に組まれたミラーシステムから2つの中心映像のある模様を生み出します。2つの映像の流れる方向が反対なのが、とても面白い万華鏡です。陰と陽ですね。
ピンクとブルーの作品は「インサイト」です。二等辺三角形に組まれたミラーシステムを通して、大きな映像とそれを囲む小さな映像が流れるように変化していきます。
ワンドは、中のビーズが大きいもの、小さいもの、スパンコールが入っているもの、天然石の粒が入っているものなど、それぞれ見せる映像の表情も違ってきます。 スパンコールの入ったものは、鏡の向こうに花火が打ち上げられたみたいで、初めて見る人はみなびっくりします。
狭い角度の二等辺三角形やひし形から生まれる映像はとても細かく、繊細な色の流れを楽しむ万華鏡です。
もうじきお披露目になる万華鏡世界大会のポスターにも、彼の迫力のある映像がデザインに使われています。お楽しみに。