鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

おわら風の盆。

2011-09-06 | 八尾だより。
二百十日の風が吹きあれた日本列島。
北陸はやはり白山と立山の峰々が風を和らげ、
大きな被害ももたらされることもありませんでしたが、
紀伊半島に甚大な爪あとを残してしまいました。
お見舞い申し上げます。



おわら風の盆はその二百十日の風を鎮め、
五穀豊穣を祈る里人の祭礼です。
今年も8月20日からの前夜祭の数日と、
9月1日~3日の本祭の3日間を八尾町で過ごしてきました。

3月11日の震災、そして台風の影響もあって、
3日間の人出は公式発表によると19万人でした。
私の知っている限り一番多かった年は27万にで、昨年は23万人。
高橋治さんが「風の盆恋唄」を書く以前は3万人程度の人出だったものが、
最盛期は30万人も訪れたとか・・・。
当時町の人に「27万人の観光客を連れ帰ってくれ」と
冗談とも本気ともつかず言われたと語り草になっています。
そのころの町の怒号飛び交う混雑振りを思えば、
今年くらいがちょうどいいかなと思いました。

お天気は1日は30度を超える蒸し暑い日、
2日は時折思い出したように空が泣き出し、町流しは中止、
3日は皆の祈りが通じたかのように空は堪えてくれました。
そして翌日の明け方5時半すぎ。
今年のおわらを名残惜しむかのように、
一人三味線を爪弾きながら家路にむかう人の音を聴くころに、
雨粒がぽたりぽたりと落ち。
今思えば3日は、まさに奇跡のような1日でした。


さて今年も関西からシラコちゃん、
関東からstraussさんが八尾へ来られました。
3日から4日にかけての深夜、3人で町流しを見に出かけました。
2日が雨で流れたため、3日は今までのおわらのなかで一番、
深夜の町流しを見る事ができたでしょうか。

上新町の連、
鏡町の子供たちを中心にした連、
西町の踊り子さんらの練習、
三味線と胡弓、唄の3人に3歳くらいの男の子が踊る家族の連、
東町の連、
酔芙蓉の会



写真は4日の3時過ぎ。
諏訪町を流してくる東町の連です。

写真には映っておりませんが、
道の両脇には行き倒れのように眠りこけた人々もいまして。
猫がそこに顔を出して「何?今夜は?」といった驚き顔にも出くわしたり、
中止になった2日には3倍速やHIPHOPでおわらを踊ってみせる子供たちにも会ったり、
それはそれは、楽しかったなあ。

商いの方はといえば、予想通り本当にさっぱりでしたが(苦笑、
震災に遭われた福島や宮城からもお出でくださった方々が、
おわらで元気がもらえた、また来年も互いに元気で会いましょうと
励ましあうことができたのが喜びです。

またシラコちゃん、straussさんらとも、
思い出を重ねることもできました。
仕事を休むことも許してくれた職場の皆さんにも感謝。

八尾の皆様、今年もお疲れさまでした。
老いも若きも一つになっての3日間とそれを迎えるための数ヶ月。
大変ありがとうございました。

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2 コメント

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Unknown (kakyo)
2011-09-15 16:52:16
straussさん。
こちらこそ、お忙しい中、
ありがとうございます。
そろう人がそろわないと、
おわらの楽しみも半減。
来年もおわら、一緒に過ごしましょうね。
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Unknown (strauss)
2011-09-13 08:13:56
その節は有難うございました!
もう一週間も過ぎてしまったなんて嘘のようです。
昨日満月を見ながら思い返していました。
あの猫の表情、はっきりと覚えてます。
思いきって行って良かったです。
背中を押して下さって有難うございました~

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