4日の夕方、金沢に帰りました。
「おわら風の盆」が、今年もまた終わってしまいました。
八尾では兵庫のシラユキちゃん、苫小牧のNさん、
東京のきゅうれきすとさんらと再会でき、
旧交を温めることができました。
特にシラユキちゃんには店のことも手伝っていただいて多謝&深謝。
(毎度のことながら大人げないところを見せ恥じいります……)
また、このブログに来ていただいているstraussさんとそのお友達のTさんが、
私にそそのかされ、初めておわらを楽しみに来てくださりました。
1日は前日まで降ったり止んだりのお天気で、空模様が心配されましたが、
晴れ女というTさんの神通力で月も顔を覗かせて♪
無理にお誘いして悪いかなと思いながらも、
ためらう二人の腕を無理矢理ひっぱり、
輪踊りにも加わって頂きました。
店の斜め向かいにあるTさんご夫妻のゲストハウス「聳庵」には、
毎年「風の盆恋歌」を書いた高橋治さんが宿泊されますが、
今年は体調不良で来られませんでした。
その代わり、今年は椎名誠さんが宿泊。
どこかで八尾のことをお書きになるかなとシラユキちゃんと私。
「そうや、きっと『八尾でわしも考えた』とか書くかも」
「おわら風の盆」は9月1日から3日までの3日間ですが、
1日とて同じ天気がありません。
2日は蒸し暑く気温が上がり、3日は夜になってとうとう雨が降りだしました。
町流しは中止になりましたが、輪踊りの始まる10時頃には晴れあがり、
店の前では上新町恒例の大輪踊りが行われて、また私も輪の中に加わってきました。
時計が午前零時を過ぎたころ、
囃子の坂田さんが唄う
「浮いたか瓢箪軽そうに流れる 行く先しらねどあの身になりたい」で、
今年のおわらが締めくくられました。
拍手があちこちでわきおこり、誰もがその場を立ち去りがたく、
輪踊りの輪は、ざわめきの中、ゆっくりとほどけていきます。
ふだん、公式行事としてはこれで終わりますが、
今年はサプライズがありました。
踊り子と地方が上新町の公民館前で、再び演舞を始めだしたのです。
それはおそらく観光会館などのステージで踊るときの構成でした。
男性の力強い案山子踊りのあと、女性が入れ替わりで所作の美しい四季踊り。
そのあとまた男性が入り十字形で躍り、また入れ替わりって女性が入り、
二重の輪を作って平踊りを舞い躍るという、なんとも贅沢なもの。
地元テレビ局が取材をしていたので、踊りはそのためのものだったようですが、
素晴らしかった!すっかり酔いました。
しかしながら。
観光としての「おわら」に費やされる、
町の人の時間と労力は、「おわら」が好きというだけでは務まりません。
八尾の人に、感謝と尊敬の念を捧げます。
酔芙蓉の花:白からうす桃色へと。聳庵前にて。
若かりし頃、それも風流などと酔芙蓉の色変わりを追いかけながら、悪友と三人、一升瓶を傾けたことがあります。一升が二升になり、三ジョウになりかけた頃、酩酊。中のひとりが、「酔って候、オイ、おまえは未だか。」と芙蓉の花に頬ずりしていたのを思い出しました。
ほんのりと酔った風情の芙蓉を拝見して、今、メロウな気分です。
聳庵に正客未だ酔芙蓉
終わりましたねぇ。
が、観光用のおわら「月見のおわら」が今月の29・30にあります。
今年はなんだか終わった!という実感と満足感がないのです、実は。何故かなぁ。
酔芙蓉にまつわるお話、ありがとうございます。
悪友といいながら、良いお付き合いのできるお友達だったのでしょうね。その場の雰囲気が伝わってきました。