昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第二章:1969年:京都新聞北山橋東詰販売所   とっちゃんの宵山 ⑦

2010年11月22日 | 日記
一度将棋に付き合ったために、とっちゃんは毎日のように「ガキガキ~~。将棋せえへんか~~?」と誘ってくるようになった。その度に「とっちゃん、自分の王様隠すんやもん。それ止めるんやったら、してあげてもええけどなあ」と言ってみるのだが、それには反応せず「ええやないか~~。一回だけ。一回だけ!な!」と拝むように繰り返した。 根負けし、「一回だけやで~」といつもの部屋に上がると、必ず3回は相手をさせられた . . . 本文を読む