俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

7月15日(日)

2012-07-15 05:13:26 | Weblog
★花芭蕉掌にはつつめぬほどの花  正子
芭蕉に咲く花は乳白色の丸いものはよく見かけますがピンク状の花もあるようです。
「掌にはつつめぬほどの」とありますが、高いところ咲く花を作者は掌にとってみたかったのでしょう。手の届くところだったらそっと抱くように掌にとって眺められたことでしょう。 (古田敬二)

○今日の俳句
鮎焼く香大黒柱の黒光り/古田敬二
大黒柱が囲炉裏の油煙で黒光りしている民家であろう。そこに落ち着いて、鮎を火にかざして焼くと香ばしい匂いがして、良い時間が流れる。(高橋正子)

○蓮の花

[蓮の花/横浜市港北区箕輪町・大聖院]

★蓮のかを目にかよはすや面の鼻 芭蕉
★蓮白しもとより水は澄まねども 千代女
★蓮の香や水をはなるる茎二寸 蕪村
★うす縁や蓮に吹かれて夕茶漬 一茶
★昼中の堂静かなり蓮の花 子規
★そり橋の下より見ゆる蓮哉 漱石

 今朝、蓮の花を見に天聖院に信之先生と出掛けた。蓮は朝咲いて昼に凋むので早朝が見ごろだ。天聖院に蓮池というほどの池はないが一むら蓮がある。その他にも御手洗のほとり、奥まった山裾あたりには大きめのポリ容器で育てている。散華が蓮の葉にかかっていた。紅蓮ばかりで、大賀蓮ではないようだ。ちょうど新暦のお盆なのだが、特にお寺まいりの人もなく森閑としたなかにさいている。松山市の城北に長建寺という寺があるが、ここの蓮池は立派で、池に突き出た部屋からは、蓮池が良く眺められる。蓮の花を描くという妹について早朝この寺に出かけたが、蚊取り線香が必携であった。岡山の行楽園にも蓮がある。これも見事だ。岡山は祭すしで有名だが、蓮田も多くこの祭すしには蓮根が使われる。鎌倉八幡の源平池の蓮もよく知られている。蓮の風情からいうと、後楽園の方が好きだ。
 蓮の花について、一番なつかしいのは、学生時代の夏休みや結婚してからの帰省で予讃線から見た蓮田の景色だ。蓮田は松山から今治に近づくとところどころに見られる。はじめ遠く炎暑で煙る緑の蓮田が近づいてくると蓮の赤い花が見える。今年も蓮の花が咲いていると眺めながら、ディーゼル車のコトコト走る音を聞いた。とてもいい景色だった。

★蓮の葉にあまたかかりて蓮散華/高橋正子
★蓮の葉のそよげる中の蓮の花/〃
★煙りたる空の下なる紅蓮/〃

ハス(蓮、学名:Nelumbo nucifera)は、インド原産のハス科多年性水生植物。古名「はちす」は、花托の形状を蜂の巣に見立てたとするのを通説とする。「はす」はその転訛。 水芙蓉(すいふよう、みずふよう)、もしくは単に芙蓉(ふよう)、不語仙(ふごせん)、池見草(いけみぐさ)、水の花などの異称をもつ。 漢字では「蓮」のほかに「荷」の字をあてる。ハスの花を指して「蓮華」(れんげ)といい、仏教とともに伝来し古くから使われた名である。 また地下茎は「蓮根」(れんこん、はすね)といい、野菜名として通用する。属名 Nelumbo はシンハラ語から。種小名 nucifera はラテン語の形容詞で「ナッツの実のなる」の意。 英名 lotus はギリシア語由来で、元はエジプトに自生するスイレンの一種「タイガー・ロータス」 Nymphaea lotus を指したものという。7月の誕生花であり、夏の季語。 花言葉は「雄弁」。原産地はインド亜大陸とその周辺。地中の地下茎から茎を伸ばし水面に葉を出す。草高は約1m、茎に通気のための穴が通っている。水面よりも高く出る葉もある(スイレンにはない)。葉は円形で葉柄が中央につき、撥水性があって水玉ができる(ロータス効果)。花期は7~8月で白またはピンク色の花を咲かせる。 早朝に咲き昼には閉じる。園芸品種も、小型のチャワンバス(茶碗で育てられるほど小型の意味)のほか、花色の異なるものなど多数ある。


◇生活する花たち「睡蓮・すかし百合・すかし百合」(フラワーセンター大船植物園)

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コメント (古田敬二)
2012-07-12 09:49:03
花芭蕉掌にはつつめぬほどの花  正子

芭蕉に咲く花は乳白色の丸いものはよく見かけますがピンク状の花もあるようです。
「掌にはつつめぬほどの」とありますが、高いところ咲く花を作者は掌にとってみたかったのでしょう。手の届くところだったらそっと抱くように掌にとって眺められたことでしょう。
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