俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月30日(日)

2016-10-30 20:18:55 | 日記
★秋水湧く波紋をそのまま手にすくう  正子
秋の澄みきった湧き水、その清らかな波紋をそっと手にすくってみる。冷たい水に心洗われる心地である。 (祝恵子)

○今日の俳句
しりとりをしつつ帰る子秋の暮/祝恵子
女の子たちであろうか。秋の暮をきりもないしりとり遊びをしながら帰る子どもたちが、かわいらしく、ほほえましい。作者の子らへの眼差しがやさしい。(高橋正子)

○夕顔と夜顔について
今年は、朝は朝顔を夕べには夕顔を楽しもうと、「夕顔の種」と「朝顔の種」をコープに注文していた届いたのが、4月の終わりだった。朝顔は5月の連休に種を播くのを毎年の行事のようにしているが、今年はそれに、夕顔の種を何十年かぶりにそれに加えた。連休が来るのを待って、朝顔の種と夕顔の種を水に浸す。朝顔の茶褐色か黒かの種は早々に芽が出そうになった。夕顔は種に傷を入れて播くとよいらしいが、それをしなかったために、灰色の小粒の石のようなまま芽生える気配もない。朝顔はなんなく芽生えたが夕顔が芽生えたのはそれから2週間以上も経ってからではなかったか。夕顔の芽生えを心待ちにしている間、朝顔の本葉が4、5枚になったので、鉢とプランターに移植。朝顔はぐんぐんと生長し、予定通り、6月の終わりには蕾を付けた。

ところが、そのころ、ベランダに植えたもののいろいろと葉が枯れ始めた。紫蘇、バジル、ブルーベリー、ミニ薔薇、ベチュニア、シクラメンなど、何か病気の蔓延かもしれないと、もう、忘れるほどの数抜き捨てた。ミニ薔薇はテディベアという名で、何年も育てたのだが。ちょうど、息子が来たので話すと、それは水のやりすぎではないかという。小さい庭があるので、少々は植物の勉強をしているようだ。朝顔も例外ではなく、枯れかけたが、抜かずに水やりをセーブした。夕顔はそのうちに芽生えたが、芽生えるなり、葉が枯れかけている。種まき用ポットで枯れた葉を捨てつつ、大して伸びもしないが、伸びるままにしておいた。ベランダには、白妙菊と、なでしこ、ほととぎす、ゆきのした、アイビーセラニューム、ラベンダー、それにえんじ色の赤いボンボンのような花だけが残った。植木鉢は洗って臥せ、プランターは土を入れたまま、さっぱりとして夏が終わった。
以下続き。

○柚香菊(ゆうがぎく)

[柚香菊/東京小金台・国立自然教育園]

★花開ききったり柚香菊そこに/高橋信之
★花びらの欠けるかに咲き柚香菊/高橋正子
★やや寒し柚香菊の白を帯ぶ/〃
★茎すっと伸びて岐れて柚香菊/〃
★湖の縁にならんで柚香菊/高橋句美子

 ユウガギク(柚香菊、学名:Kalimelis pinnatifida) は、キク科ヨメナ属の多年草で、やや湿性の高い場所に自生し、いわゆる「野菊」の仲間である。草丈50cmほどで、しばしば1mを越える。上部で花茎を分け、花期は6月下旬~11月、茎頂に径3cm前後の白から淡紫色の典型的なキク型の花をつける。葉は、幅3cmほど、長さ8cm前後の卵状長楕円形で、通常、葉縁に鋭く浅い切れ込みか、または羽状の中裂が入る。本州の近畿地方以北に分布し、関東地方以北に分布するカントウヨメナにとてもよく似ている。近年、シロヨメナをヤマシロギクの別名としたり、その逆としたり、シロヨメナとヤマシロギクを混同する記載が結構目立つ。シロヨメナとヤマシロギクはともにノコンギクの亜種だが、別種である。ヤマシロギクは東海地方以西に分布し、シロヨメナの分布は本州~九州・台湾である。シロヨメナはしばしばヤマシロギクとの間に雑種を作るのでこのような混同がおきているのかもしれない。「柚香菊」は、ユズの香りがするとの命名だが、葉を揉んでもユズの香りは確認できていない。

◇生活する花たち「十月桜・白ほととぎす・野葡萄」(横浜・東慶寺)
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