俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月27日(木)

2016-10-27 06:42:08 | 日記
★炊きあげし飯盒をすぐ露の土へ  正子
高原の飯盒炊爨でしょうか。炊き上がった飯盒を火から下して土の上に置き蒸らす。地にはまだ朝露が乾かずにいる。明るい光と爽やかな空気と薪の煙の臭いを思い浮かべます。(小西 宏)

○今日の俳句
月昇る遥かに海を広げつつ/小西 宏
「海を広げつつ」に、新鮮な驚きがあり、臨場感がでた。月が昇るにしたがって、遥かの海を照らしていく。海の波がはっきり見てくる。少し寂しい月の夜である。(高橋正子)

○実蔓(さねかずら)

[実蔓/東京白金台・国立自然教育園]

★葉隠れに赤き鹿の子の実蔓/かるがも
★葉隠れに息飲む色の実蔓/かるがも

 サネカズラ(実葛、学名: Kadsura japonica)はマツブサ科サネカズラ属の常緑つる性木本。ビナンカズラ(美男葛)ともいうが、これは昔、つるから粘液をとって整髪料に使ったためである。葉は長さ数cmでつやがあり、互生する。ふつう雌雄異株で、8月頃開く花は径1cmほど、10枚前後の白い花被に包まれ、中央におしべ、めしべがそれぞれ多数らせん状に集まる。雌花の花床は結実とともにふくらみ、キイチゴを大きくしたような真っ赤な丸い集合果をつくる。花は葉の陰に咲くが、果実の柄は伸びて7cmになることもあり、より目につくようになる。単果は径1cmほどで、全体では5cmほどになる。果実は個々に落ちて、あとにはやはり真っ赤なふくらんだ花床が残り、冬までよく目立つ。
 関東地方以西、西日本から中国南部までの照葉樹林によく見られる。庭園に植えることもある。盆栽として栽培もされる。果実を漢方薬の五味子(チョウセンゴミシ)の代わりに使うこともある。古歌にもしばしば「さねかづら」「さなかづら」として詠まれ、「さ寝」の掛詞として使われる。
 名にし負はば 逢坂山のさねかづら 人に知られで くるよしもがな(藤原定方、百人一首25/後撰和歌集)


◇生活する花たち「秋の野芥子・銀木犀・金木犀」(横浜日吉本町)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする