俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

3月20日(金)

2015-03-20 08:25:35 | 吟行
★流れ寄りまた離れゆき春の鴨   正子
河口近くのゆったりとした流れのなか、鴨たちが浮かんでいます。
あるときは寄り、あるときは離れる鴨の群れにすっかり明るくなった春の日差しが降り注ぎます。
穏やかな時間が流れるひとときです。(多田有花)

○今日の俳句
梅が香の真ん中にいて風を聞く/多田有花
梅の香の漂うところに立てば、風が吹いている。目に触れる梅の花、鼻に嗅ぐ梅の香り、耳に聞く風の音。それ頬には早春の風も触れてゆくことだろう。感覚の大いに働いた句である。(高橋正子)

○ミツバツツジ

[ミツバツツジ/横浜日吉本町]

★死ぬものは死にゆく躑躅燃えてをり/臼田亞浪
★日の暮れてこの家の躑躅いやな色/三橋鷹女
★真白き船の浮める躑躅かな/中村汀女
★ままごとふと躑躅の底えきえてゆきぬ/渋谷 道
★開かんとして躑躅たち真くれなゐ/中川栄淵
★平和なりミツバツツジが光り燃え/ケイスケ

★ミツバツツジが竹垣に沿い紫を/高橋信之
★ミツバツツジその紫にやや汗す/高橋正子

ミツバツツジ(三葉躑躅 Rhododendron dilatatum)はツツジ科ツツジ属の落葉低木。また、近縁のミツバツツジ類の総称でもある。 関東地方から近畿地方東部の太平洋側に分布し、主にやせた尾根や岩場、里山の雑木林などに生育する。他のミツバツツジ類の多くは雄しべが10本なのに対し、本種は5本であることが大きな特徴。古くから庭木としても植えられるが、盗掘の影響もあるせいか野生の個体数は決して多くない。
ミツバツツジ類は、4-5月頃に咲く紅紫色の花が美しい。花が終わってから葉が出てくる。枝先に三枚の葉がつくことからこの名がついた。ミツバツツジの変種には、トサノミツバツツジ、ハヤトミツバツツジ、ヒダカミツバツツジなどがある。日本に自生するその他のミツバツツジ類には、トウゴクミツバツツジやサイコクミツバツツジ、コバノミツバツツジ、ダイセンミツバツツジ、ユキグニミツバツツジ、キヨスミミツバツツジなどがある。


◇生活する花たち「片栗・甘菜・接骨木(にわとこ)の花蕾」(東京白金台・自然教育園)
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