俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

3月11日(水)

2015-03-11 20:08:43 | 日記
★蕎麦に摺る山葵のみどり春浅し   正子
早春の芽吹くものは殆どさみどりのものが多く、暖かい春への希望の色である。しかし時には寒の戻りの寒さもあり、寒暖定まらぬ早春の気候を山葵を通して情趣豊かに詠われた。 (桑本栄太郎)

○今日の俳句
 京都四条~祇園界隈
建仁寺塀の高みの藪椿/桑本栄太郎
建仁寺塀は竹の塀で美しい。丈高く組まれることが多いが、その塀の上に覗く藪椿が自然の様で風趣がある。(高橋正子)

○土筆

[土筆/横浜日吉本町]            [土筆/横浜・四季の森公園]

★土筆煮て飯くふ夜の台所/正岡子規
★土筆摘む野は照りながら山の雨/嶋田青峰
★土筆野やよろこぶ母につみあます/長谷川かな女
★子のたちしあとの淋しさ土筆摘む/杉田久女
★土筆伸ぶ白毫寺道は遠いれど/水原秋桜子
★白紙に土筆の花粉うすみどり/後藤夜半
★土ふかき音もたつなる 土筆摘む/皆吉爽雨
★まま事の飯もおさいも土筆かな/星野立子
★土筆なつかし一銭玉の生きゐし日/加藤楸邨
★山姥の目敏く土筆見つけたり/沢木欣一
★土筆摘む強腰にしてひとりもの/青柳志解樹

 ツクシは、正しくは「杉菜(すぎな)」の胞子茎(ほうしけい)というもので、「付子」とも書く。
 スギナ(杉菜、学名:Equisetum arvense)は シダ植物門トクサ綱トクサ目トクサ科トクサ属の植物の一種。日本のトクサ類では最も小柄である。浅い地下に地下茎を伸ばしてよく繁茂する。生育には湿気の多い土壌が適しているが、畑地にも生え、難防除雑草である。
 春にツクシ(土筆)と呼ばれる胞子茎(または胞子穂、胞子体)を出し、胞子を放出する。薄茶色で、「袴(はかま)」と呼ばれる茶色で輪状の葉が茎を取り巻いている。丈は10-15cm程度。
 ツクシ成長後に、それとは全く外見の異なる栄養茎を伸ばす。栄養茎は茎と葉からなり、光合成を行う。鮮やかな緑色で丈は10-40cm程度。主軸の節ごとに関節のある緑色の棒状の葉を輪生させる。上の節ほどその葉が短いのが、全体を見るとスギの樹形に似て見える。なお、ツクシの穂を放置すると、緑色を帯びたほこりの様なものがたくさん出て来る。これが胞子である。顕微鏡下で見ると、胞子は球形で、2本の紐(4本に見えるが実際は2本)が1ヵ所から四方に伸びている。これを弾糸という。この弾糸は湿ると胞子に巻き付き、乾燥すると伸びる。この動きによって胞子の散布に預かる。顕微鏡下で観察しながら、そっと息を吹きかけると、瞬時にその形が変化するのをみることが出来る。また、「ツクシ」は春の季語である。


◇生活する花たち「福寿草・節分草・榛の花」(東京白金台・自然教育園)
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