俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

12月20日(木)

2012-12-20 08:28:05 | Weblog
★木賊生う地より突き立つ濃き緑  正子
木賊という植物の名と実物とは、私の中で一致してはいなかったのですが、濃い緑でまさに地より「突き立つ」さまのこの植物には確かに見覚えがあります。茎はぎざぎざしていて、竹のように節があって、子どもの頃それで遊んだようにも記憶しています。「木賊」だったのですね。 (小川和子)

○今日の俳句
冬椿蕾結べりきっぱりと/小川和子
冬椿の蕾の固さが凛とした空気に「きっぱりと」した姿を特に印象付けている。(高橋正子)

○枇杷の花

[枇杷の花/横浜日吉本町]

★枇杷の花咲くや揚屋の蔵の前 太祇
★枇杷の花鳥もすさめず日くれたり 蕪村
★輪番にさびしき僧やびはの花 召波
★職業の分らぬ家や枇杷の花/正岡子規
★人住んで売屋敷なり枇杷の花/高浜虚子
★枇杷の花しくしく氷雨下りけり/臼楕亞浪
★枇杷咲いて長き留守なる館かな/松本たかし
★誰か来さうな空が曇つている枇杷の花/種田山頭火
★忘れゐし花よ真白き枇杷五瓣/橋本多佳子
★枇杷が咲く金の指輪の指細り/三橋鷹女
★人影のあとの供華清し枇杷の花/中村汀女
★かたまれることは倖せ枇杷の花/神蔵器
★ほころびてあたたかさうな枇杷の花/片山由美子

 ビワ(枇杷、学名: Eriobotrya japonica)は、バラ科の常緑高木およびその果実。冬、枝先に帯黄白色の五弁の小花をつける。目立たない花ではあるが芳香があり、この季節に咲く花としては趣がある。
 中国南西部原産。英語の「loquat」は広東語「蘆橘」(ロウクワッ)に由来する。日本には古代に持ち込まれたと考えられている。またインドなどにも広がり、ビワを用いた様々な療法が生まれた。中国系移民がハワイに持ち込んだ他、日本からイスラエルやブラジルに広まった。トルコ、レバノン、ギリシャ、イタリア南部、スペイン、フランス南部、アフリカ北部などでも栽培される。
 葉は互生し、葉柄は短い。葉の形は20cm前後の長楕円形で厚くて堅く、表面が葉脈ごとに波打つ。縁には波状の鋸歯がある。枝葉は春・夏・秋と年に3度伸長する。花芽は主に春枝の先端に着く。花芽は純正花芽。花期は11~2月、白い地味な花をつける。花弁は5枚。葯には毛が密に生えている。自家受粉が可能で、初夏に卵形をした黄橙色の実をつける。果実は花たくが肥厚した偽果で、全体が薄い産毛に覆われている。


◇生活する花たち「冬椿・山茶花・帰り花(つつじ)」(横浜・綱島)
コメント (1)
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