俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

12月1日(土)

2012-12-01 05:10:15 | Weblog
★鈍行のことこと芽麦を渡りいる  正子
晩秋に播かれた麦は冬の初めに芽を出し伸びる。周りは冬枯れで色がない時期だけに麦の目の緑は印章強く目に映る。そんな芽麦の畑の遠く向こうを鈍行列車がことことと音をさせながら走る。作者の目線と麦畑と列車の位置関係を想像させられた。寒い冬だがその日は小春日で単線の1,2両連結くらいの風景と思う。 (古田敬二)

○今日の俳句
山茶花や軒端の薪の真新し/古田敬二
山茶花が咲き、軒端には真新しい薪が積み重ねられて、本格的な冬を迎える準備が整った。「薪の真新し」がさっぱりとしている。(高橋正子)

○茶の花

[茶の花/横浜市港北区松の川緑道]    [茶の花/東京白金台・自然教育園]

★茶の花や白にも黄にもおぼつかな 蕪村
★茶の花や利休の像を床の上 子規
★茶の花や洛陽見ゆる寺の門 碧梧桐
★茶の花に暖き日のしまひかな 虚子
★茶の花に富士かくれなき端山かな 秋櫻子
★茶が咲けり田舎教師の大き瞳よ/星野麦丘人

★茶の花の数多小粒が朝の日に/高橋信之

 チャノキ(茶の木、学名:Camellia sinensis)は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹である。チャの木、あるいは茶樹とも記される。単にチャ(茶)と呼ぶこともある。原産地は中国南部とされているが確かなことはわかっていない。中国や日本で栽培される1m前後の常緑低木(学名 : Camellia sinensis)。インド・スリランカなどで栽培される変種のアッサムチャ(学名 : C. sinensis var. assamica)は8 - 15mにも達する高木になる。栽培では普通は1m以下に刈り込まれるが、野生状態では2mに達する例もある。幹はその株からもよく分枝して、枝が混み合う。
 葉は枝に互生する。葉には短い葉柄があり、葉身は長さ5-7cm、長楕円状被針形、縁には細かくて背の低い鋸歯が並ぶ。花は10-11月頃に咲く。花は枝の途中の葉柄基部から1つずつつき、短い柄でぶら下がるように下を向く。花冠は白く、径2-2.5cm、ツバキの花に似るが、花弁が抱え込むように丸っこく開く。果実は花と同じくらいの大きさにふくらむ。
 日本では、栽培される以外に、山林で見かけることも多い。古くから栽培されているため、逸出している例が多く、山里の人家周辺では、自然林にも多少は入り込んでいる例がある。また、人家が見られないのにチャノキがあった場合、かつてそこに集落があった可能性がある。


◇生活する花たち「山茶花・柊・桜黄葉」(横浜日吉本町)

コメント (1)
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