葉桜の蔭から
高橋正子
築地行四句
築地出て炎暑の風に煽られし
葉桜の蔭から勝鬨橋がよい
炎天の塔より水の浜離宮
遊覧船に手を振り水の涼しかり
朝粥に胡瓜茗荷を漬けて寝る
鶏頭の花が咲き出す原爆忌
被爆手帳も父も死にゆき原爆忌
みんみんの遠き声へと耳尖る
西瓜切ってみなの心に故郷(くに)ありぬ
えのころに夕日の色の風が吹き
蝉一つ鳴き止み遠くまた鳴けり
高橋正子
築地行四句
築地出て炎暑の風に煽られし
葉桜の蔭から勝鬨橋がよい
炎天の塔より水の浜離宮
遊覧船に手を振り水の涼しかり
朝粥に胡瓜茗荷を漬けて寝る
鶏頭の花が咲き出す原爆忌
被爆手帳も父も死にゆき原爆忌
みんみんの遠き声へと耳尖る
西瓜切ってみなの心に故郷(くに)ありぬ
えのころに夕日の色の風が吹き
蝉一つ鳴き止み遠くまた鳴けり