俳句
海行きの車窓に新緑吹き出だす
薔薇垣も旅の車窓にあかるかり
停車して茨の花を間近にす
半島のキャベツ畑の鯉のぼり
半島の風はみどりに鯉のぼり
満目のキャベツの玉の育ちゆく
たんぽぽの澄みし黄色も城ヶ島
たんぽぽの黄も澄み忘れ潮も澄み
巌みな濡れ色濃ゆく春の磯
春潮へカヌーは針のごとく出づ
火の島は霞の沖のその先に
波音に時もなかりて春の磯
安房崎の空は五月よ鳶舞う
松の花そろい波音遠ざかる
松の幹千本斜めにみどり立つ
磯音にみどり立つなり城ヶ島
松の花島の花なり揃いけり
青葉の島磯の色濃く濡れいたり
夏潮に濃くも濡るるよ城ヶ島
海蝕の岩を流るる春の潮
夏磯の波音いくつ聞き分ける
海蝕の岩を飛び立つ夏燕
潮澄めばそこを飛び立つ岩燕
春潮の澄みて岩間を流れけり
ひじき干すそばにも咲けり花大根
ひじき干す島の老婦の帽目深
大根の花の真盛りひじき干す
大根の花の真盛り城ヶ島
島どこもうす紫の花大根
白秋詩碑夏帆のかたちして砂に
ヒトデいて白秋詩碑を仰ぎ読む
イソギクに触れて下り行く夏の磯
島青葉なかにも丸きサンキライ
ハマヒルガオと野猫と昼の城ヶ島
ハマヒルガオ萱の根元に城ヶ島
安房崎灯台
灯台の白亜を下に夏鶯
青葉して島の鶯ほしいまま
鳶浮かす半島夏の風集め
城ヶ島灯台
灯台へ八丈すすきの青きなり
草崖に八丈すすきは青すすき
草崖に八丈すすきはあおあおと
草崖の月あらまほし城ヶ島
草崖の空に靡きて青すすき
船倉庫並べる島にさざえ食ぶ
島果ての店に売らるる貝風鈴
はらわたの苦き思いにさざえ食ぶ
晴れ
○城ヶ島吟行。
海行きの車窓に新緑吹き出だす
薔薇垣も旅の車窓にあかるかり
停車して茨の花を間近にす
半島のキャベツ畑の鯉のぼり
半島の風はみどりに鯉のぼり
満目のキャベツの玉の育ちゆく
たんぽぽの澄みし黄色も城ヶ島
たんぽぽの黄も澄み忘れ潮も澄み
巌みな濡れ色濃ゆく春の磯
春潮へカヌーは針のごとく出づ
火の島は霞の沖のその先に
波音に時もなかりて春の磯
安房崎の空は五月よ鳶舞う
松の花そろい波音遠ざかる
松の幹千本斜めにみどり立つ
磯音にみどり立つなり城ヶ島
松の花島の花なり揃いけり
青葉の島磯の色濃く濡れいたり
夏潮に濃くも濡るるよ城ヶ島
海蝕の岩を流るる春の潮
夏磯の波音いくつ聞き分ける
海蝕の岩を飛び立つ夏燕
潮澄めばそこを飛び立つ岩燕
春潮の澄みて岩間を流れけり
ひじき干すそばにも咲けり花大根
ひじき干す島の老婦の帽目深
大根の花の真盛りひじき干す
大根の花の真盛り城ヶ島
島どこもうす紫の花大根
白秋詩碑夏帆のかたちして砂に
ヒトデいて白秋詩碑を仰ぎ読む
イソギクに触れて下り行く夏の磯
島青葉なかにも丸きサンキライ
ハマヒルガオと野猫と昼の城ヶ島
ハマヒルガオ萱の根元に城ヶ島
安房崎灯台
灯台の白亜を下に夏鶯
青葉して島の鶯ほしいまま
鳶浮かす半島夏の風集め
城ヶ島灯台
灯台へ八丈すすきの青きなり
草崖に八丈すすきは青すすき
草崖に八丈すすきはあおあおと
草崖の月あらまほし城ヶ島
草崖の空に靡きて青すすき
船倉庫並べる島にさざえ食ぶ
島果ての店に売らるる貝風鈴
はらわたの苦き思いにさざえ食ぶ
晴れ
○城ヶ島吟行。