俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

4月30日(木)

2009-04-30 12:11:31 | Weblog
俳句
海行きの車窓に新緑吹き出だす
薔薇垣も旅の車窓にあかるかり
停車して茨の花を間近にす
半島のキャベツ畑の鯉のぼり
半島の風はみどりに鯉のぼり
満目のキャベツの玉の育ちゆく
たんぽぽの澄みし黄色も城ヶ島
たんぽぽの黄も澄み忘れ潮も澄み
巌みな濡れ色濃ゆく春の磯
春潮へカヌーは針のごとく出づ
火の島は霞の沖のその先に
波音に時もなかりて春の磯
安房崎の空は五月よ鳶舞う
松の花そろい波音遠ざかる
松の幹千本斜めにみどり立つ
磯音にみどり立つなり城ヶ島
松の花島の花なり揃いけり
青葉の島磯の色濃く濡れいたり
夏潮に濃くも濡るるよ城ヶ島
海蝕の岩を流るる春の潮
夏磯の波音いくつ聞き分ける
海蝕の岩を飛び立つ夏燕
潮澄めばそこを飛び立つ岩燕
春潮の澄みて岩間を流れけり
ひじき干すそばにも咲けり花大根
ひじき干す島の老婦の帽目深
大根の花の真盛りひじき干す

大根の花の真盛り城ヶ島
島どこもうす紫の花大根
白秋詩碑夏帆のかたちして砂に
ヒトデいて白秋詩碑を仰ぎ読む
イソギクに触れて下り行く夏の磯
島青葉なかにも丸きサンキライ
ハマヒルガオと野猫と昼の城ヶ島
ハマヒルガオ萱の根元に城ヶ島
 安房崎灯台
灯台の白亜を下に夏鶯
青葉して島の鶯ほしいまま
鳶浮かす半島夏の風集め
 城ヶ島灯台
灯台へ八丈すすきの青きなり
草崖に八丈すすきは青すすき
草崖に八丈すすきはあおあおと
草崖の月あらまほし城ヶ島
草崖の空に靡きて青すすき
船倉庫並べる島にさざえ食ぶ
島果ての店に売らるる貝風鈴
はらわたの苦き思いにさざえ食ぶ

晴れ
○城ヶ島吟行。
コメント (2)
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