自民党の菅義偉総裁は１６日午後、衆参両院本会議での首相指名選挙で第９９代首相に選出され新内閣が発足しました。
世襲議員ではなく派閥に属していない首相として注目された人事ですが、党四役と国対委員長は菅氏を支持した５派閥から起用し、組閣も同様に派閥均衡に腐心して配分した跡が窺えます。
そのことを指摘された際の「各派閥に優秀な人材が揃っているからだ」との釈明を覚えていて詠んだのですが、１７日の紙面を読み直しても見当たりませんのでテレビで観たのかもしれません。
諺「目は口ほどに物を言い」を意識しながら大坂なおみ選手の活躍を詠んだもので、優勝したことは素晴らしいですが、それ以上に高く評価されたのが７枚の黒いマスクです。
アメリカで黒人が警察官らの発砲や暴力によって命を奪われる事件が相次いでいるなか、大坂選手は人種差別反対の思いを込め、１回戦から決勝まで被害者となった黒人の名前入りマスク７枚を着用し「みんなで議論を始めて欲しい」と呼びかけ、優しさと強さを兼ね備える新たなアスリートの姿が共感を呼びました。
記事の一部、ただ大坂は声高に主義主張を述べることはしない。マスク着用については「勇気というのとは違う」とし「（問題があることを）知って欲しい。多くの被害者について話すきっかけになれば」と繰り返した。
ここを読んだ時冒頭の諺が浮かびました。
新型コロナウイルスのワクチン開発を巡り、欧米の製薬会社９社は８日、安全性を最優先して取り組むとの共同声明を発表しました。
トランプ大統領が１１月の大統領選挙前のワクチン完成を求める中、検証不十分なまま導入するとの懸念を拭い去り、政治的な思惑をけん制する狙いがあるとみられています。
製薬９社は安全性と実効性を認めた場合のみ、当局に承認を求めることを確認したそうですが、この当然のことを敢えて発表したのはトランプ大統領が早期の許認可への圧力をかけているためだとのこと。
ロシアでは８月に自国産のワクチンを承認し、中国は治験の最終段階で年内の実用化を目指しているなど各国が競い合っているのは、途上国などへの提供で影響力を強める狙いがあるとされており、政治的思惑で前のめりなのは大統領選挙を控えている米国だけではないようです。
諺『石橋を叩いて渡る』を意識しながら、告示前から自民党総裁選挙に出馬表明していた石破茂氏のことを詠んだものです。
石破氏の陣営は任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の人気ソフト「あつまれ どうぶつの森」を告示日から選挙運動に活用する予定でしたが、インターネット上で「政治に利用していいのか」と疑義が続出し、任天堂に確認した結果中止したそうです。
総裁選がフルスペックで行われれば、地方からの支持が厚い石破氏が有利であることは明らかですが、政治空白を避けることを大義名分に党員・党友には投票させないことにしており、それに加えて今度の疑義により石破氏の選挙運動は嫌がらせを受けているような印象です
このゲームソフトは「あつ森」の愛称で知られており、米国の大統領選挙でバイデン候補も利用していますが、任天堂の規約が米国と日本で違うそうです。
「あつ森」については全く知りませんでしたが、無人島を舞台にプレーヤーが住人となって、道路や家を造るなどして楽しめるもので、石破氏は「いしばちゃん」と名乗るアバター（分身）として登場し、「じみん島」と名付けた島で活動する予定だったそうです。
菅氏が圧倒的に有利な状況で、その陣営が「石破氏を叩いて渡る」ため騒ぎ立てた、これは考えすぎでしょうか。
自民党総裁選は告示前にもかかわらず、出馬表明した３候補の陣営が３日本格始動し、４日（金）の紙面には『菅政権』へ不協和音 要職巡り派閥争い の見出しが躍っていました。
安倍政権の継承を掲げ、５派閥の支持を取り付けた菅氏は、独自色をあえて封印して守りに徹する一方、『菅政権』樹立を見越す各派閥は、主要閣僚や党役員の椅子を確保しようと躍起です。
連立を組む公明党関係者は「政権発足後は一気に不安定化するのではないか」と懸念し、菅氏側近は「醜い猟官運動により、新政権の印象が悪くなってしまう」と眉をひそめているそうです。
翌日からは『菅政権』が何時解散総選挙に打って出るのかが紙面を賑わせており、関心は『ポスト菅』に移っているように思えます。
