英国の植民地だった香港が1997年に中国に返還されるにあたり、50年間は資本主義を採用し、社会主義の中国と異なる制度を維持することが約束され、外交と国防をのぞき、「高度な自治」が認められている。
これが一国二制度ですが、香港区議会選挙で民主派が圧勝したことから、中国指導部が強硬姿勢を堅持すれば香港市民の怒りが爆発するのは必至で、中国は香港返還後最大の試練に直面し、香港内部では民主派の発言力が強まる中、秩序回復を望む人々は声を上げにくい雰囲気が醸成され、歴史的勝利の陰で社会の分断は強まっていて、香港内外から「一国二制度」に「崩壊」の危機が忍び寄っている。
中国政府は「暴力と混乱を制する」ことが香港での最優先事項だと述べ、香港当局は引き続き抗議活動を厳しく取り締まるべきだとの立場を示しており、習指導部は譲歩姿勢を見せず、過激なデモが収束するかどうか予断を許さない状況となった。
という記事を深読みして詠んだ句が入選となりましたが、下五の「駄々をこね」が適切な表現なのか、自信がありませんでした。
難しいお題でしたが、ソフトにまとめ上げられたご手腕は、さすがベテランだなあと感服いたしました。
香港の二制度については、いずれ崩壊すると思いますが、台湾問題もあるので簡単に進むとは思えませんね。
それはさておいて、テレビのコメンテイターが言わないあることを、私は思っていました。
それは、1992年に起きたロサンゼルス暴動のことです。
黒人男性が警官に射殺され、警官に無罪評決が出たことをきっかけに起きた暴動では、数千人の死傷者が出ました。
今回の香港のデモでは死者2名が出ていますが、数千人規模の死傷者は出ていません。
香港警察は、ロサンゼルス暴動の時のロス警察と比べると、極めて平和的に学生や市民に対応したのではないかと私は思いました。
また、ロサンゼルス暴動では制圧のため軍隊が出動していますが、香港では軍隊は待機していたものの出動しませんでした。
いずれにしても、物事は平和的にソフトに収めたいですね。
山歩きさんの川柳のように。
ご紹介いただいた1992年のロサンゼルスの暴動については、惑わずに仕事に専念していた時期で、今ほど時事について関心が無かったためすっかり忘れておりましたので、ロサンゼルスと香港を比較して論じておられるShuさんには改めて敬意を表する次第です。
今回の句についてどのような評価を頂けるかと、不安と期待が入り混じっておりましたが、「ソフト」というお言葉に安心いたしました。
参考までに同時に投句した句を紹介しますと「惨敗で一国二制度尻に火が」と「二制度が北京の空に霞んでる」で、なんとなく北京を使ってみたかったのですが、大気汚染の北京の空をイメージした次第です。