菅義偉首相は4日、官邸で記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都と埼玉、千葉、神奈川の3県を対象にコロナ特措法に基づく緊急事態宣言発令の検討に入ると表明したことは、多くの紙面を割いて報じられましたが、興味深かった部分は以下のとおりです。
・自民党幹部は今回の経緯を巡り「小池氏のペースだった」と解説する。小池氏らに求められてようやく宣言を出したと批判されるか、再発令しないまま感染拡大が止まらず無為無策と追及されるか。両方をてんびんにかけ、前者の方が政治的ダメージが少ないと判断したと首相の胸の内を説明した。
・政府は11月下旬、「勝負の3週間」として国民に協力を呼び掛けたが、状況はむしろ悪化した。対策は小出しで、危機感は伝わらず、菅首相が会食を頻繁に続けたことも批判された。
・日本維新の会の馬場伸幸幹事長は記者会見で「政府は後手後手に回っている。緊急事態宣言は昨年末に出すべきだった」と非難した。
・ただ押し切られた形の首相も、黙っていなかった。会見で「コロナ策は明快になってきている。飲食の感染リスク軽減が最優先だ」と指摘。北海道と大阪府は対策の効果が出ているとの認識を示したが、東京都と近接3県は「感染者が減少せず、極めて高い水準だ」と繰り返した。宣言再発令後は国と地方の「二人三脚」が必要なだけに、新たな不安要素を生みかねない。
国と地方の関係は密であってほしいものです。