はりさんの旅日記

気分は芭蕉か司馬遼太郎。時々、宮本常一。まあぼちぼちいこか。
     

山口の旅 (湯田温泉)

2016-03-14 19:35:52 | 知らない街をぶらり
湯田温泉にやって来ました。しかし、温泉街という雰囲気ではありません。普通の町の中に温泉があるという感じです。

私たちが泊まった旅館は、司馬遼太郎さんも泊まった旅館でした。『街道をゆく1』に、この旅館の記述があります。
「小倉から長途、周防山口に行ったときばかりは、宿の湯へ噛みつくようにして入った。湯があつかったが我慢した。」


司馬さんは「湯があつかった」と書いているのですが、「あつい」というほどでもなかったです。お湯は想像していたよりも、ぬるぬるしたお湯でした。最近は、このぬるぬるのお湯が流行のようですね。

そして、この旅館の庭は、すばらしいのですが、そのことにもふれています。
「六月十日、山口ニテ雨。アカマツ。と、私の手帳にある。「アカマツ」とそれだけメモをしてあるのは、この宿の、おそらく作庭して二百年以上は経ているらしい庭の赤松が、こまかい雨に濡れて枝もその根方の翠苔(すいたい)もじつにあざやかであった。その印象を忘れぬために書いておいた。」
 (そのアカマツです)

お庭の片隅には、明治維新で活躍した、西郷・大久保・木戸が語り合ったという会見所もありました。歴史を感じる空間です。


この旅館は、司馬さんもふれておられるように「古格な品」があります。私たちは、本館には泊まっていませんが、お部屋からは、庭を眺めながら至福の時を過ごせるのでしょうね。
 (本館とお庭)

 (別角度から)

 (館内の雛かざり)


お庭を拝見し、お湯にもつかり、いよいよお楽しみの夕食の時間です。せっかく山口に来たので、「獺祭」(だっさい)をいただくことにしました。(「だっさい」は岩国のお酒で、阿部首相がオバマ大統領にプレゼントしたことでも有名になりました)


そして、山口はフグが名物です。食事にもフグ料理がいろいろと出されました。そして、フグと言えば「ひれ酒」です。もちろん、いただきました。(つぎ酒もです)


料理も美味しかったですが、出される食器も「古格な品」がありました。


おいしいお酒とお料理の満足のゆく夕食でした。(もちろん、わいわいと賑やかな宴会であったことを申し添えておきます)


こうして、湯田の夜は更けていきました。

つづく。