Seasons

花鳥風月を撮りつづけると季節の移り変わりがわかるかも
でも風を撮るのはむつかしいので花鳥虫月だという噂も・・・

クコ

2007-09-18 | 写真
クコ(枸杞)=【Lycium chinense


ナス科クコ属

生活型:落葉低木

わが国の本州から四国・九州
それに台湾や朝鮮半島、中国に分布しています。
海岸近くや低地に生え
半蔓性で高さは2~2.5メートルになります。
葉は長楕円形で対生し
葉腋には棘があります。
6月から9月ごろ、淡紫色の花を咲かせます。
夏ごろから
小さな卵形の果実が真っ赤に熟します。
葉は枸杞葉(くこよう)
果実は枸杞子(くこし)
それに根は地骨皮(じこっぴ)と呼ばれて
薬用にされます。

英名は Chinese boxthorn



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        春から夏の間ずっと咲き続けていました

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         そしていつも可愛い実をつけてます




新古今和歌集 巻第十五 恋歌五

斎宮女御
春頃罷り出でて
久しく参り侍らざりければ
                   天暦御歌
1416
 春行きて秋までとやは思ひけむ
 かりにはあらず契りしものを






上野:鈴本演芸場

2007-09-17 | まち歩き
上野にある
鈴本演芸場
東京に四つある定席の一つです。

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             鈴本演芸場という字の
            右手前が高くなっていて
              太鼓が置いてある



劇場は3階にあります。
1階から3階まで
長いエスカレーターで上ります。

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               矢印がラブラブシート

鈴本演芸場のHPにある座席説明:

<以下引用(ちょっと長いけど)>

通常興行は全席自由席となっておりますので
座席番号は関係ないのですが
特別興行では全席座席指定となる場合がございます。
正月の初席興行や余一会といって
大の月の31日に行なわれる独演会などがその対象となります。
座席数は現在285席ございますが
以前は294席ございました。
なぜ減ってしまったかと申上げますと
テナントで入っておりました安田信託銀行が
統廃合で他の場所に移ってしまい
その後に居酒屋の高田屋がテナントとして
入居いたしました。
しかし上の階に直接行くための手段が無かったため
エレベーターを設置しなければならなくなりました。
建設図面をひもといてバラバラにしたところ
ちょうど客席の後ろ
「た」列と「れ」列の部分に設置することが可能ということがわかり
そのために9席分が減ってしまいました。
以前は左右対称の客席でしたが
ご覧の通り「よ」列から「た」列がちょっと変形になってしまいました。
ところがなんと残った席の「よ」列の4,5番が
御常連の間ではラブラブシートとして
密かな常連席とご好評をいただいております。

<引用終わり>




九月の「番組表」の表紙絵は 
信田妻(しのだづま)
葛の葉狐が
わが子に別れ秋の野をさまよいながら
信田の森に姿をかくす場面。

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          浮世絵鳥居派九代目家元
               鳥居清光
         (たしかこの人↑女の方です)


これが9月中席の番組表

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       (画面をクリックすると拡大版が見られます)

面白かったのは
水色の線が引いてあるこの人

 三遊亭歌武蔵(さんゆうてい うたむさし)

出演時間中ずっとくすぐり通して終わりましたが
かなりの力量
初めて聞いたけど
よかた
よかた
あはははは


トリが終わると
跳ね太鼓。

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             前座さん がんばてね





イチョウ

2007-09-17 | 写真
イチョウ(銀杏、公孫樹)=【Ginkgo biloba Linne



イチョウ科イチョウ属

生活型:落葉高木

原産地は中国で
平安後期、鎌倉時代に日本に帰化しました。
化石なって発掘されることもある
イチョウ科に属する裸子植物イチョウ類の中で
唯一の現存している種です。

花の写真は
こちら



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        嵐のあとに落ちていた実と葉



新古今和歌集 巻第四 秋歌上

題しらず
                円融院御歌
381
 月影の初秋風とふきゆけば
 こころづくしにものをこそ思へ



              




ヘクソカズラ

2007-09-16 | 写真
ヘクソカズラ(屁糞葛)=【Paederia scandens


アカネ科ヘクソカズラ属

生活型:多年草

わが国の各地をはじめ
朝鮮半島や中国に分布しています。
日当たりのよい藪や草地に生え
ほかの草木に絡まって伸びます。
葉は楕円形または長卵形で、対生します。
8月から9月ごろ
葉腋から短い集散花序をだし
灰白色の花を咲かせます。
咽と内側は紅紫色です。

花の写真は
こちら

葉を揉むと独特の臭気があります。
花を水に浮かべたかたちから「サオトメバナ(早乙女花)」
花の真ん中がお灸のあとに似ていることから
「ヤイトバナ(灸花)」とも呼ばれます。

英名はありません。



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            実の直径は3mmくらい




新古今和歌集 巻第四 秋歌上

百首歌奉りし時
              摂政太上大臣
357
 おしなべて思ひしことのかずかずに
 なほ色まさる秋の夕暮







ウノハナ

2007-09-15 | 写真
ウノハナ(卯の花)=【Deutzia crenata】


ユキノシタ科ウツギ属

生活型:落葉低木

わが国の各地をはじめ
朝鮮半島や中国に分布しています。
山野にふつうに生え
高さは1~3メートルになります。
葉は楕円形から卵状披針形のやや厚い皮質で対生します。
別名で「ウツギ(空木)」とも呼ばれます。
この名前は、幹の髄が中空になっていることから。

5月から6月ごろ、芳香のある白い花を咲かせます。
古歌に夏の花としてよく詠まれています。
花の写真は
こちら


英名は Deutzia


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           実の直径は3mmくらいです

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          髄は中空になっています






後拾遺和歌集  秋歌

題しらず
            和泉式部
293
 はれずのみ物ぞかなしき秋霧は
 心のうちに立つにやあるらん









ヤマハギ

2007-09-14 | 写真
ヤマハギ(山萩)=【Lespedeza bicolor


マメ科ハギ属

生活型:落葉低木

わが国の各地をはじめ
朝鮮半島や中国に分布しています。
山地の草地や林縁にふつうに生え
高さは1~2メートルになります。
葉は3出複葉でやや薄く
小葉は広楕円形から広卵形です。
7月から9月ごろ
葉腋から基部につく葉より長い総状花序を出して
赤紫色の花を咲かせます。
秋の七草のひとつです。

英名は Lespedeza, Shrubby bush-clover


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       夏の間ずっと咲き続けるかわいい花




玉葉和歌集  秋歌

                永福門院
509
 しをりつる風は籬(まがき)にしづまりて
 小萩がうへに雨そそくなり








ヒガンバナ

2007-09-13 | 写真
ヒガンバナ(彼岸花)=【Lycoris radiata


ユリ科ヒガンバナ属

生活型:多年草

中国南部の長江下流域が原産です。
わが国へは「イネ」が伝わった縄文晩期に渡来しました。
今では秋田・岩手県以南から
沖縄まで広く分布しています。
ただ北日本には少ないそうです。
鱗茎にはデンプンが含まれ食用にもなりますが
アルカロイドが含まれるため
十分に水に晒すことが必要です。
昔は飢饉に備えて
堤防や田んぼのあぜ道などに植えられました。
名前は、秋のお彼岸のころに咲くことから。
別名で「マンジュシャゲ(曼珠沙華)」とも呼ばれます。
線形の葉は
花の後にでて束生しますが
翌春になると枯れてしまいます。
花と葉を同時に見ることはできません。
このことから
「花は葉を思い、葉は花を思う」という意味をこめて
韓国では「サンチョ(相思華)」と呼んでいます。

英名は Red spider lily, Hurricane lily


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            お彼岸が近くなって
           本格的に咲き始めました

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式子内親王集  恋歌

               式子内親王

 恋ひ恋ひてよし見よ世にもあるべしと
 いひしにあらず君も聞くらん






ユリノキ

2007-09-12 | 写真
ユリノキ(百合の木)=【Liriodendron tulipifera


モクレン科ユリノキ属

生活型:落葉高木

カナダの東南部、オンタリオ州南部から
アメリカの中南部、ルイジアナ州にかけて分布しています。
わが国へは、明治時代のはじめに渡来しました。
山地の渓谷や斜面に生え、高さは24~37メートルになります。
樹皮は暗灰色で厚く、深く割れ目が入ります。
葉はほとんど四角形で、わずかに4~6浅裂します。
5月から6月ごろ、うすい緑色と黄色の目立たない花を咲かせます。
その花のかたちから「チューリップツリー」とも呼ばれ
あるいは葉の形から「ハンテンボク(絆纏木)」とも呼ばれています。
秋になると大きな葉が黄色く色づきます。

英名は Tulip tree, Tulip poplar, Yellow poplar

木と花の写真は
こちら


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         台風のあと落ちていた実
      かなり硬い繊維質でできています





千載和歌集  恋歌

               西行法師
876
 あふと見しその夜の夢のさめであれな
 長きねぶりはうかるべけれど








ヒマラヤスギ

2007-09-11 | 写真
ヒマラヤスギ=【Cedrus deodara


マツ科ヒマラヤスギ属

生活型:常緑高木

ヒマラヤの北西部からアフガニスタン東部にかけて分布しています。
わが国へは明治時代のはじめに渡来しました。
樹冠は円錐形で
高さは20~30メートルになります。
枝は水平に広がり
葉は針状で束生します。
9~10月ごろ
上部の枝先に雌花を
またあちこちに雄花をつけます。
11月頃に雄花は大量の花粉を飛ばして
地面が黄色くなることもしばしば起こります。
球果は卵形で
熟すのに2~3年かかるそうです。
落下した球果の先端はバラの花のように美しい形をしていて
ドライフラワーによく利用されるそうです。
卵型の球果は翌年の秋に成熟し
一枚ずつ剥れるように地面に落ちます。
球果が全てバラバラになるのに数年掛かることもあります。

英名は Himalayan cedar, Deodar cedar


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           雄花 9月上旬の撮影


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         雄花 昨年11月中旬の撮影


バラのような球果の写真は
こちら





新古今和歌集  恋歌

                  式子内親王
1153
 逢ふことをけふ松が枝の手向草
 いく夜しをるる袖とかは知る





センダン

2007-09-10 | 写真
センダン(栴檀)=【Melia azedarach


センダン科センダン属

生活型:落葉高木

わが国の本州、伊豆半島以西から四国・九州
それにアジア各地やオーストラリアの北・東部の
沿海地方に広く分布しています。
高さは5~15メートルになり
葉は2~3回奇数羽状複葉で互生します。
5月から6月ごろ、葉腋から集散花序を出し
淡紫色の小さな花をいっぱい咲かせます。
果実は核果で、10月から12月ごろ黄色く熟します。
公園樹や街路樹に植栽されるほか
材は建築・器具用に、果実や樹皮は薬用に利用されます。

英名は White cedar, Chinaberry
古名は楝(あふち)。

「栴檀は双葉より芳し」の栴檀は
この木ではなくて
「ビャクダン(白檀)」のことです。

花の写真は
こちら

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               実はまだ青い



新古今和歌集 巻第四 秋歌上

秋歌とてよみ侍りける
                宮内卿
356
 思ふことさしてそれとはなきものを
 秋の夕べを心にぞとふ









アサガオ

2007-09-09 | 写真
アサガオ(朝顔)=【Ipomoea nil


ヒルガオ科サツマイモ属

生活型:一年草

アジアが原産です。
わが国へは
今から1200年ほど前
遣唐使によって中国から伝えられました。
もともとは薬用で
種子が牽牛子(けんごし)と呼ばれ
下剤や利尿剤として利用されました。
茎は蔓性で長さは3メートル以上になります。
渡来した最初のものは
青い丸咲きで3個の尖った翼片をもつ並葉だったと考えられています。
花や葉に変化が大きく
7月から9月ごろまで
漏斗形の花を咲かせます。

英名は Japanese morning glory


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      クマバチは体が大きいので蜜腺には外からアタック



後拾遺和歌集  秋歌

あさがほをよめる
                和泉式部

317
 ありとてもたのむべきかは世の中を
 しらする物は朝がほの花







キンエノコロ

2007-09-08 | 写真
キンエノコロ(金狗尾)=【Setaria glauca



イネ科エノコログサ属

生活型:一年草

北半球の温帯地域に広く分布しています。
日当たりのよい道端や田んぼのあぜなどにふつうに生え
高さは20~70センチになります。
8月から10月ごろ
円柱形で直立した長さ3~10センチほどの花穂をつけます。
名前は
小穂に黄金色の芒(のぎ)が生える
「エノコログサ(狗尾草)」ということから。

英名は Yellow foxtail


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             穂先は垂れません



玉葉和歌集  秋歌

                藤原定家朝臣
1966
 おのづから秋のあはれを身につけて
 かへる小坂の夕暮の歌





エノコログサ

2007-09-07 | 写真
エノコログサ(狗尾草)=【Setaria viridis



イネ科エノコログサ属

生活型:一年草

ヨーロッパから東アジアにかけて分布しています。
わが国でも各地の道端や空き地にふつうに見られます。
高さは50~80センチほどになり
8月から11月ごろ
茎の先に緑色の穂状花序をつけます。
穂の先はやや垂れます。
関東地方では「猫じゃらし」とも呼ばれます。
エノコロは「いぬころ」の転訛でしょう。

英名は Green bristle grass


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           穂の先はやや垂れます




玉葉和歌集  秋歌
                永福門院
485
 風にきき雲にながむる夕暮の
 秋のうれへぞたへずなりゆく





ガマズミ

2007-09-06 | 写真
ガマズミ(蒲染)=【Viburnum dilatatum


スイカズラ科ガマズミ属

生活型:落葉低木

わが国の北海道西南部から本州、四国・九州
それに朝鮮半島や中国に分布しています。
丘陵から山地に生え、高さは5メートルほどになります。
葉は倒卵形や卵形から円形で対生し
縁には浅い鋸歯があります。
葉柄が10~25ミリと長いのが特徴です。
5月から6月ごろ
短い枝先の10センチほどの平らな散房花序に
小さな白色の花をいっぱい咲かせます。
果実は9月から10月に赤く熟し
11月には白い粉がふいて甘くなり、食べることができます。

英名は Linden viburnum, Linden arrow-wood


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         果実は9月から10月に赤く熟します

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三百六十番歌合  秋歌

                  式子内親王

 夕まぐれそこはかとなき空にただ
 あはれを秋の見せけるものを