太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

微妙なバランス

2021-12-29 09:33:33 | 日記
 国会議員が政策金融公庫の融資に関する口利き疑惑で在宅起訴された。議員(元)として許されないことであるがさもありなんと思う。業界団体の仕事で官僚や議員さんにお目にかかることは多かった。それらを通じて学んだことは、新しい政策や制度は民間のニーズ(それを必要とする者)が無ければ策定されないことだ。決して良かれと思って先行立案することはない。民間の陳情は彼らにとっても必要なのである。一度制度が出来上がってしまうとそれを利用する者が無ければ愚策となる。特に予算措置があると使い切れなければ翌年は予算が削られ、やはり無用の愚策となって手柄にはならない。今回の口利きをする方も問題だが聞く方も問題である。そこに遠山の金さんは存在しない。
 政治家と官僚の関係は官僚側の面従腹背が常である。どんなに忙しい時でも議員会館に呼びつけられれば飛んで行く。敵に回してはろくなことがないからである。国会で追及されるような事案があれば出世にも響く。議員が顎で高級官僚をこき使う姿を見ると民間の陳情者は恐れおののく。やはりこの先生は味方につけておかなければと思う。
 業界団体といっても圧力団体ではない。設立の趣旨はある官僚から、あなた方は様々な要望を持ってくるが個々に応えることはできない。団体のようなものがあれば窓口となって双方向の意思疎通に便利であるとの助言がありスタートした。太陽光発電関連の制度や補助施策は殆どこの窓口を通じての官民対話から生まれた。厄介なのは政治家との付き合いである。団体の活動主体は殆どが企業からの出向者、必要に応じて参集される会員各社の担当者であり基本ボランティアである。所属元会社は社員に対して厳しく特定の政治家に結び付くことを禁じており、中にはクビという厳罰のある会社もあった(特定の政治家を支援する企業は裏がある)。団体規約でも特定の政治団体、宗教団体、反社との付き合いは厳禁とした。パーティー券なども送られてきたが応じたことはないと思う。ボランティアでクビをかける者など居なかった。
 口利き疑惑で思い出すのはかって国際プロジェクトで受注した(こちらは失注)ライバルが新たにアジ銀に創設された環境枠の低利融資を利用したことだ。何と制度が創設されて1ヵ月も経たない内に融資決定である。市役所の窓口でも相当待たされるのにである。恐らく制度創設前から民間のニーズとしてネゴしていたのであろう。
 一言で政、官、民(産業)の関係は三面従腹背である。三足鼎立とも言える。1本でも足が折れると使い物にならない。口利き疑惑で政、民は出てきたがさて官は? 


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