久し振りというか初めて我が町の写真が全国紙夕刊1面に載った。昨日朝、ヘリが飛んで空撮したものである。新聞に載る場合は有難いことで載ることは先ずない。豪雨被害による道路冠水の写真である。午前中に自転車で下見をしたバイパスである。完全に周辺は巨大な湖と化している。用水路の越水というより堤防の決壊のようだ。浸水地域の水を抜くのは容易ではない。そもそも高低差のあまりない用水路は流れは殆どなく何処かへ水をはくことができない。決壊箇所を修復して水を用水路に戻しても次に低い箇所で越水するかも知れない。稲刈りが終わった田圃には水を導入する必要性はない。ここは一つ、田植えの時期は散々利用した用水である。各田は不要でも引水で恩返しをしたらどうだ。新興の住宅地は多少嵩上げしてるから浸水は免れている。それでも近くまで水が来て折角買ったマイホームは心配だったろう。晴天と乾燥が続き蒸発を祈るしかないか。
昨日は市民大学の日だったがもう1本のバイパスを通って出掛けた。巨大沼化した中を通っている。最近の道なので流石に嵩上げしてあり浸水はしていなかったが普段なら10分くらいで通り抜けるのだが大渋滞で30分くらいかかった。巨大な沼の中に軽トラや乗用車が傾いて10台くらい水に浸かっていた。畦道に止めていたのが帰れなくなったのだろう。死傷者は居ないので逃げることは出来たのだろう。午後からの市民大学の講演テーマは「ひとり空間、都市はソフトなコミュニティを創れるか」だった。ネットカフェや一人カラオケ、カプセルホテル、一人焼き肉やラーメン店など最近の都市型一人空間を例に挙げながら最近の風潮を語るだけであって学術的分析とか新しいコンセプトのようなものは見当たらずあまり勉強にはならなかった。
少しイジワルな質問で、ニーズとして選択権のあるひとり空間と選択肢はなく仕方なしのひとり空間があるのではないでしょうか。またカプセルホテルが例に挙がっていましたが、これは出張手当との差額で安い宿を求めるサラリーマンのニーズと都会の不動産価格から建築費を抑える供給側の思惑が一致した結果であって一人空間を求めるニーズとは無縁と思います。砂漠にカプセルホテルは作らないでしょう。さらに農村型コミュニティと都市型コミュニティとありましたが、この辺り、いや全国でもその中間の郊外型コミュニティに暮す人が多いと思います。今日の聴講生も殆どリタイアして仕方なしお一人様空間で暮らし、しかも郊外に住んでいるのでニーズではないと思います。都会の一部の若者文化のような感じがして、今日の話は少し違和感があります。
答えは、確かに私の話は都市型ひとり空間についてでした。都市から農村へのグラディエーションにも目を向けて論じるべきだったかも知れませんと素直に詫びた。専門は社会学、都市・建築論、都市情報論で本当は難しい話だが面白可笑しくすることに力点を置き過ぎたのだろう。ちょっと質問が厳しすぎたので場を和ます必要があった。経歴から生まれを見ると同郷だったので、大阪出身だけど大阪弁は一切出ず、あまりにスマートで冗談も出ず同郷とは思えませんと言うと、父親の年齢のような方への講演で緊張していますとのこと。因みに妹さんは私と同じ高校で彼自身はアメリカやイギリスの大学へも留学しており優秀であることには間違いない。ただ40歳という若さで某私大の准教授ではあるがオヤジの年代を唸らせるには経験不足は否めない。この前の東大院女性教授は小学校の同級生の妹だったし、遠く離れたこの地で地縁者とよく出会う。日本も狭い。ラグビーW杯の準決勝でニュージーランドがイングランドに敗れた。NZが異次元の強さで優勝すると予想したが外れた。素人の予想などこんなものである。何処まで行っても上には上が居るもんだ。サラリーマン、上見て暮らすな、下見て安心するな、あくまで前を向いて生きろ。これは昔作った金言。お前はいつも斜め上みてると言ったのは辛口の先輩。
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