太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

再エネ送電 鉄道架線で

2023-07-02 06:29:15 | 日記

 新聞1面トップで報じられた。再エネ(太陽光や風力)で発電した電気を鉄道の架線に送り込むというものだ。送配電網の有効利用として実現が期待される。もう30年以上前スイスで同じような応用をしたことがある。トロリーバスの架線に太陽光発電を連系(繋ぎこむ)した。日本なら十分実証研究を経て市場に投入するのだが当時ドイツやスイスでは市場を実証実験の場とする乱暴ともいえる積極性があった。30年以上前の話である。ところが連系用のパワコン(直行変換装置;現地製)がしょっちゅう停止し、中には焼損するものもあった。原因が特定できずこの応用は中止となった。

予想されたのは、トロリーバスは発停止の頻度が高くスピードも一定しない。そのためトロリーは負荷として変動が大きく都度架線の電圧が変化する。次はトロリーは停車場とか交差点などでトロリーポール(終電装置)を一旦架線から外して他の架線に付け替える。この時架線自体は巨大なコイルのようなもので流れる電流変化によって大きな電圧を発生させる。これがパワコンの故障に繋がったと考えていた。要は架線の電圧変動にパワコンが対応できなかった。

今回日本の試みは国交省と経産省のコラボであるということが重要である。再エネ普及の為には省庁横断的な協力は不可欠である。30年以上経った現在技術の変化は日進月歩であり、もし鉄道架線の電圧変動が大きくても連系はしなやかに行われるだろう。一旦諦めたり忘れられたものでも技術の進歩により日の目を見ることはままある。似たようなことではドイツでは水素を製造して既設の都市ガス配管に混ぜ込む試みがあった。メタンが主体の都市ガスに水素を混ぜ込めば燃焼効率は上がり水素の貯蔵施設も不要である。根が真面目なだけに面白くないブログとなった。次はもっと楽しい自虐ネタで。