太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

休業補償への偏り

2020-04-16 08:26:57 | 社会観察

このところマスコミでは休業補償(協力金と言うべきだが)の自治体による差を連日報道している。何だか違和感を感じるのは拙老一人ではないだろう。各自治体が補償合戦のようになるのはこんな狭い日本でおかしな話。自治体の財政状況の差をなるべく均して行かなければ国民全体として取り組むべきコロナとの戦いに不公平感が生まれ分断を生んでしまう。そのためには国が基準を定め、足らざるを埋めるという政策が必要である。その時一番最低な条件に合わせるのではなく最高の水準、今なら東京だろうか、にすべきである。

昔独身寮に住んでいた若い者から聞いた話である。寮は以前他社が社員寮として使っていた建物だった。各部屋にはエアコンが付いているところとそうでない所があった。これでは不公平になるという事でそこの工場長がエアコンを使わないよう指示を出した。ある社員は冬の朝寒くて目が覚めたら枕元のコップの水に薄氷が張っていたとのこと。この社員は、危うく凍死するところだった、どうも自分は家族の一員ではないらしいと言っていた。社員と言う名の家族を社訓にしていた会社である。それからというもの、家族と言う名の社員と呼ばれるようになった。家族とはこうあるべきと会社と一体感を持つことを説いてもいたからである。この工場では車通勤する者から構内駐車料金を徴収していた。パチンコで遊びに行っても駐車料金は取られないのに働きに来て取られるのは納得が行かないという文句に対して総務責任者である工場長は、駐車スペース確保や線引きにも経費がかかる。車通勤者だけに余分な経費を割くことはできないと言った。この節約アイデアマンの工場長は本社総務の覚えがめでたかったのは本社も認めたルールだったのだろう。中小企業の話ではない。当時すでに急成長の会社として全国的にも有名になっていた。その後利益率の高さで超優良企業に成長した。当時は世間の常識に照らしてどうもおかしいというローカルルールが地方工場には山ほど存在した。勿論それらの変なルールはいつの間にか無くなったのだが。

東京だから出来るという言い訳をされると、自分は日本国民ではないように思えてしまう。コロナ感染拡大で客足が激減し経営が悪化しているところを助けるのは程度と線引きが難しい。ここは休業要請に応じて休業した事業者に対し協力金を払う、経営悪化には資金繰りの(低利融資とか)助成で対応すると明確に分けた方が良い。補償金に地域差を煽るマスコミの常識を疑う。どちらも低きに横並びしてはならないのがこの危機である。