ゆっくりかえろう

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下天は夢か 二

2013-12-03 | 読書
津本陽氏著 二巻は美濃攻めから 北近江攻略の姉川の合戦勝利まで。

信長に敵対する者は次々増えて行き、仕舞いには信長が庇護者としてまつりあげてある足利義昭までが陰で敵に廻ります。

信長は弱い相手には 力攻めで倒し、強いと観るや卑屈なまでに下手にでて 巧みに領土を増やし 上洛に向かって進んで行きます。

相変わらずの残忍性と人を道具としか考えていない性質ですが この時点ではまだ家臣の諫言とりなしは聞く耳を持っていたようです。

そこに信長の人間らしさの欠片が残っているのを見ます。信長は幼児性の強いひとではなかったのかと ふと思いました。

二巻のキーワードは 木下藤吉郎 (秀吉)そしてまた蜂須賀小六 前野少右衛門という地侍です。
秀吉は二人の陰働きと 自身の調略で信長を随分コントロールしていきます。

信長の策謀は必ずしも適切とはいえず難航する場面もありますが 秀吉はそこを上手く操縦しています。
まだ主従はそれなりに 対等だといえます。後の安土時代のように誰の歯止めも聞かない頃とは違い 家臣の(命懸けの)諫言は聞きます。

あと信長自身人を信じない代わり スパイをよく使いました。
信長は浅井氏が敵に回ったことで いよいよ狂っていきます。