三角寛氏著 昭和の人気作家だった氏は 実話小説と言うジャンルを開きました。書かれている事が全部事実だと思いがちですが、実際は創作の部分が混じっており、そこがややこしい研究書なら研究書、小説なら小説とはっきりして欲しいところです。
私が想像するに、時代がそれを許さない軍国主義で真実が書けなかったのではないかと思われます。
サンカの正体がはっきりしないのは、彼らの存在が許されないご時世であった為に(彼らは無戸籍者) 肝心なところはぼかしてあります。
作者は当時の警察官や憲兵を意識的に尊敬して描いていますが 事実は強烈な警察軍人批判が根底に有ると思います。
軍国主義は創作に深い傷を与えるのです。
事実は闇の中。しかしロマンが有ります。何故ならこれは伝奇小説でもあるからです。
これが全部事実なら物凄く面白いお話になります。