今年のエリザベス女王杯は、スノーフェアリーが連覇を達成しました。
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スノーフェアリー連覇、直線怒涛の追い込み=エリザベス女王杯(スポーツナビ)
JRA秋の女王決定戦・第36回GIエリザベス女王杯が13日、京都競馬場2200メートル芝で開催され、1番人気に支持されたライアン・ムーア騎乗の英国馬スノーフェアリー(牝4=E.ダンロップ厩舎、父Intikhab)が優勝。後方待機から最後の直線、馬群を一気に割る怒涛の追い込みを決め、昨年に続く連覇を達成した。良馬場の勝ちタイムは2分11秒6。スノーフェアリーはこれで通算19戦7勝。GI勝利は2010年英オークス、同愛オークス、同エリザベス女王杯、同香港カップに続く5勝目となった。
一方、クビ差の2着に惜敗したのは岩田康誠騎乗の2番人気アヴェンチュラ(牝3=栗東・角居厩舎)。スノーフェアリーの豪脚にゴール前で屈し、前走のGI秋華賞に続くGI連勝はならず。また、さらに1馬身差の3着に蛯名正義騎乗の4番人気アパパネ(牝4=美浦・国枝厩舎)が敗れ、史上初の牝馬限定GI完全制覇はならなかった。なお、骨折休養明けから9カ月ぶりの復帰戦となった3番人気レーヴディソール(牝3=栗東・松田博厩舎、福永祐一騎乗)は11着に敗れている。
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今年のエリザベス女王杯は、国内外の有力馬が揃った大変面白いレースでした。スノーフェアリーは、昨年のレースで記憶に残る凄い末脚で完勝し、今年も1番人気に推されました。対する日本馬では今年の秋華賞3歳馬アヴェンチュラの評価が高く、次いで同じ3歳馬で昨年圧倒的な強さを見せていたレーヴディソール、昨年の三冠牝馬アパパネが上位人気でした。
レースは最下位人気のシンメイフジが大逃げを打ち、最後の直線までトップをキープしていましたが、それを6番人気ホエールキャプチャが捉えに行き、その後アパパネとアヴェンチュラの2頭がホエールを捉えたところを、最後は内を割ったスノーフェアリーがまとめて差し切りました。最後の1ハロン(200m)の攻防戦は大変見応えがあって面白かった。馬券を持っていた人は一喜一憂だったと思います。スノーフェアリーは、昨年と全く同じコース取りでした。違いは先頭に立つまでにやや時間が掛ったことくらいでしょう。昨年はノーマークだったのに対し、今年は1番人気でマークされたため、楽な勝ち方ではなかったと思います。それでも最後のスピードは抜けていました。この馬は、セリ市では1800ユーロ(当時、約234000円)の安値でも買い手がつかなかった安馬ですが、それが既に4億円以上も稼いでいるそうです。馬の価値は、価格や血統で決まるものではないことを証明していて、この先の活躍が楽しみです。
アヴェンチュラは、秋華賞の勢いでこのレースも制するかに思われましたがあと一歩でした。日本馬の中では、最も長距離適性が高そうな印象です。アパパネとホエールキャプチャは、マイルの適性が高く2000m以上は難しいと思っていましたが、粘り強い走りで上位に食い込みました。応援していたけれどあまり期待していなかったので、この結果は意外でした。アパパネは前走が惨敗だったけれど、今回は三冠牝馬に恥じないレースをしてくれたと思います。ホエールキャプチャは一旦トップに立ちましたが、残り50mで抜かれてしまいました。今回も残念な結果でした。抜群の安定感なので、そのうちG1を勝てる日が来ると思います。残念だったのはレーヴディソールです。怪我の休み明けということもあって、いまひとつの内容でした。2歳の時の力強い末脚は全く見られず、馬群から抜け出すことなく終わりました。次のレースを見てみないと判りませんが、今のところ他の同世代馬に差を付けられている感じがします。2歳では他馬より早熟だっただけという評価にならないで欲しいものです。
今日のレースの一番の驚きはシンメイフジです。最下位人気ということで、大逃げは騎手や厩舎の判断と思いますが、この馬の可能性を感じさせる走りでした。最後まで粘っての7着(レーヴより上位)は大変価値があると思います。今後のレースにも期待したいです。とにかく面白いレースでしたが、日本馬には役者が1頭足りなかった。こんなにメンバーが揃っているのであれば、牝馬最強のブエナビスタにも出走して欲しかった。