フリードリヒ・ハインリヒ・フューガー
原題「フランツ・ヨーゼフ・グラフ・ザウラウ」
18世紀の作品だが、おもしろいので取り上げてみた。
これは偽物の男がよくやる手である。
かなりのことをした男から顔を盗み、美貌を手に入れ、女といいことができると、男はこんな感じになるのだ。
よく見てみたまえ。顔つきと、目が、見事に合っていない。普通こういう顔をした男は、もっと厳しい目をしているものだが、目だけが、まるでほかの男からとって来てはりつけてあるかのように、みっともなく光っている。
よくいるだろう。一見美貌のいい男なのだが、どこか下衆じみている。
馬鹿な男が、できる男から顔を盗んだらこうなるという例だ。いやなことばかりするので、年をとってきたら、こういうやつは見る影もなく崩れてくる。