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これはおもしろいですね。何の絵でしょう。おそらくは古い世界観であろうが。
前にも言ったように、ここであげる絵はわたしが選んでいるのではありません。わたしがほかのところに行っている間、仲間がてきとうに選んで保存してくれているのです。どういう感じで選んでくれたものだか。わたしの好みを考えてということもあるだろうが、むしろこれは、おもしろそうだから入れておこう、なんて心が見えますね。
確かにこういうファンタジックな絵は好きだが。
とにかく、こういう世界が大きな亀に背負われている、という世界観はありました。イロコイ族の神話では、ジャコウネズミが亀の背に土をのせて、それが大地となったと言います。亀という生き物の形は、確かに、大地を思わせる何かがありますね。
世界を亀が背負っているというのはおもしろい。何せ、世界の進歩というのは亀のようにのろいものですから。
人間存在が、自分というものの真実をつかみ、霊的進化を遂げるまで、どれだけの月日がかかったと思いますか?
人間がホモ・サピエンスになったのは、もう一万年以上昔です。氷期が終わり、肉体が整い、世間というものができてきた。それまではわからなかった、自分というものがいるということを、感じ始めた。個体間に差が生じ、個性の萌芽があらわれ、それゆえに、嫉妬が起こってきた。
そこらへんが、人類の始まりです。そこから人間は火を使い、文明を著し、この世界に圧倒的な繁栄を築いてきたのだが。その心はあまり動物と変わっていなかった。
快楽と虚栄を好み、権力争いをし、気に入らぬものは殺してきた。現生人類の、暗黒と暴虐の時代は、ひどいものでした。しかし神はじっと待ってくださった。人類が愛に目覚めるときを。
それが必ず来ることはわかっていたが、実に長いことかかった。永遠に続くのではないかと思うほど、闇は長かった。
亀にすらも十周は遅れるほど、のろかったのではないか。
だがそれもようやく終わりつつある。やっと、人類は、自己存在の真実に気付いた。霊的感性の進化をとげ、悪の正体に気付いた。
遅すぎるほどだということもありますが、しかし何もかもはこれからだ。すべてのことが、今のわたしたちにわかっているわけではないが、あなたがたはこれから、劇的な進化を経験し、暗黒の時代に築いてきた恐ろしく膨大な罪業を、どんどん清めていくでしょう。
そうすればいつか、十周ぶんを取り戻し、先に行った亀にも追いつくことができるでしょう。