かのじょが、師の一人としていた、萩尾望都に敬意を表して、エドガー・ポーツネルを描いてみました。かのじょの描いたトーマと比べると、あきらかに個性が違うのをわかってくださると思います。
わたしが描くとどうしても男のきつさが出る。かのじょがいかにかわいいかわかるでしょう。
あなたがたは、わたしたちひとりひとりを見る時は、これほど完全なものがあるかと思うほど驚くのですが、このように互いを比べれば、それぞれに欠点も長所もある個性的な存在だとわかるはずです。
かのじょはいちずでかわいい。あのかわいらしさが、あなたがたは大好きなのですよ。だからいつもはげしく恋をするのです。
恋の相手は、人間でないとだめでしょう。あなたがたはたびたびわたしたちに恋をしますけれど、それはわたしたちがそれぞれに個性的で、神よりはずっと人間に近い、暖かい存在だからです。
エドガー・ポーツネルはヴァンパイアですが、永遠の命と若さを持つ妖怪というよりも、人間の、いつまでも子供でいたいという心が生み出した、妖精のようなものと解釈しています。
いつまでも花のように夢の世界で、美しい妹と恋遊びをして暮らしていたい。
人間のはかない夢ですね。
だがメリーベルは消えてしまう。
真実の天使ももういない。
愛する恋人を失った永遠の命はどこにいくでしょう。
人間の恋はどこにいくでしょう。
もうあなたがたは子供ではありません。