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世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

光の天使

2017-09-08 04:17:43 | 黄昏美術館


ジェイソン・チャン


画家の詳しい経歴は不明だが、名前から推測するに、中国系のアメリカ人だろう。

こういうファンタジー・アートには人間の幼児的な願望が現れている。天使になりたいなどという願望は幼児的だが、ファンタジーならそれもできるという感じだ。

整った顔や男性的でかっこいいスタイル、長い金髪、美しい翼。欲しいと思うものを全部つぎ込めばこういうものになるというものである。

馬鹿な人間はこういうものになりたいとさえ思うのだ。

だがこれは所詮ファンタジーの所産だ。現実にはあり得ない。ファンタジーというものの使命はほかにあるが、現代はこれは我欲を好きなように表現していいという分野になっている。

髪も目も美しいものを全部手に入れ、自分を激しく美しくして、いいものを手に入れたい。そういう欲望が、光まぶしく清らかすぎるほどきれいに描いた天使の奥から聞こえてくるのである。

これが邪臭というものだ。きれいに描けば描くほど、嫌らしいものになってくる。

神が人間をおつくりなさるときは、愛で創ってくださる。その造形の一つ一つに、神の愛がこもっている。そのものの生き方が最も良い方向に流れていくように、最も良い形に作ってくださる。

だが人間がこういうものになりたいという形を自分でつくる時は、激しくいやらしいものになるのである。





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