世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

嘘のなれのはて

2017-09-01 04:17:04 | 黄昏美術館


エミール・ベルナール

原題「祖母」


画家の実の祖母であろう。冷たい目だ。これは偽物の美人のなれの果ての一例である。

若い頃はそれなりの美人であったのだ。だから結婚もできた。だが、こういう女は、ほかの女の姿をかぶっているので、それを生きることができず、すぐにその姿が崩れてくる。肌も汚い感じで汚れてくる。

それを霊的技術で何とかしまくると、こういう感じになってくるのである。

それなりに箔はあるが、何か目の冷たい、きついばあさんになるのだ。心の中には、常に若い女への嫉妬がうずいている。

本当は、この顔のほうが、本当の自分に近いのだ。年をとると、偽物の女はこうなるのである。きつい性格が表に出る上、若い頃は美人であった恨みが、いやらしい人格を作るのだ。

いやにきれいな女の顔をかぶっているから、どんなにやさしい女かと思ったら、実にきつい女だったのだ。画家はそういう女の性格を見抜いているようだ。嫌な目にもあったことがあるのだろう。






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