世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

修正・2

2017-09-06 04:20:45 | 黄昏美術館


ジョルジュ・ミンヌ

原題不明


彫刻作品からいこう。ベルギーの彫刻家らしい。

これはきれいに見えるが汚らしい愚行の結果である。実に整っているかに見えるだろう。しかしこれは、罪に染まって壊れた自分の顔を、修正しつくした結果なのである。

歪みをなんとかして直し、欠点をしらみつぶしに消していき、汚いものをくっつけて顔を修正していくと、人間はこんな顔になるのだ。

整ってはいるが、まるで無個性だという感じの、虫よりも単純なのっぺりした顔になるのである。

自分の影というものを、徹底的に消したからだ。

人間は、自分が嫌で、自分から逃げようともがいてばかりいると、こういうものになるのである。

あさはかなことをして、無理矢理自分を美化した結果、これはもろに、人間には見えない妙なものになったのだ。

整ってはいるが、ぞっとする。とても愛せない。

男がこんな顔になれば、女はみんな逃げるのだ。






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