毎日
小さな箒と塵取りもって
道に落ちてる吸殻を拾ってるんだ
それが俺の仕事
ちっこいけど
大切なんだよ
道がきれいになる
親方から賃金をもらって
帰りに一リルで買える
小さいガムを噛みながら帰るのが
幸せなんだ
明日も働こうって思える
お菓子屋には
おかめだけどやさしいやもめがいるんだよ
旦那さんが病気で死んで
ひとりで子供を育ててる
時々おまけしてくれる
嫁になってくれなんて
口が裂けても言えないけど
好きだってことは
ばれてるみたいだ
あんたのおかげで
道がきれいだよって
言ってくれる
なんでも
正直に働くのが一番だって
そうともさ
ポーカー勝負でとった
豪勢な暮らしをしたって
何にもならないんだ
そんなのは
親父を見て知ってる
おれはもう
あんな生き方をしないんだ
正直におれにできることをやって
人様に尽くしたいんだ
そして
あのやもめに
ずっとほめてもらいたいんだ
掃除夫のおれが
いいんだ