世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

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飴を分ける

2017-07-04 04:17:54 | 冬の日差し・夏の月


かわいらしいでしょう。かのじょが20代のころの作品です。古い資料を探っていて見つけました。

表情がいくぶん暗めなのは、このころ人生で最初の大きな試練を乗り超えたばかりだったからです。

親同然に思っていた叔母に見捨てられ、世間の厳しさ、冷たさにぶつかって、倒れたところを、ほとんど一人だけの力で立ち直った頃です。

目が澄んでいて大きいのに、口がとても小さくて閉じているのは、真実を見抜いているのに、何も言わなかったからです。

すべては知っていた。叔母が自分を捨てたのは、美しかった自分に嫉妬したからだと。叔母の男がみんなかのじょが目当てであったとわかったからだと。何も知らないと思っていたでしょうけどね、女性というのはこういうことはもうとっくにわかっているのです。人の目つきや微妙な態度だけで、真実を見抜くことができるようになっているのです。

なぜって、きれいな女性というものは、そんなことばかり経験してきたからです。馬鹿の嫉妬というものに、ずっと苦しめられてきたからです。

知っていても、何も言わないのは、言っても何にもならないからです。言えば返って、相手が逆上して何をするかわからないからです。だから美人という者は、知らないふり、わからないふり、馬鹿のふりというのが、上達するのです。

知らなかったでしょう。

不細工な女性は、未だにこういうことができない。才をひけらかし、男性の反感を買う。女性を劣ったものとみなし、支配しようとする。よくいますね、こういう人は。馬鹿というのは、自分が一番偉くなくては我慢ができないのです。それで人に迷惑をかけるので、どうしても不細工になってしまうのです。

それが悔しくて、すぐれた美人ばかりいじめる。どうしても、こんなふうに、美人と不細工な女性との間の格差は、広がってしまうのです。

きついでしょうが、こらえてください。わたしも最近は少し腹が立っている。不細工な女性があまりに不細工なので。あまりにひどいことばかりするので。

かのじょはああいう人たちにも、美しくなる道を教えようとしていた。一生懸命にがんばっていた。本当に美しい女性というものは、自分だけが美しいと言っておごり高ぶるものではない。みんなを美しくしてあげようとするものです。飴をわけるように、自分の美を分けようとする。

そんな人の心さえわからないから、いつまでも不細工なままなのです。





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