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共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

久々オペラ

2019年06月01日 20時58分14秒 | 音楽

早いもので、令和に改元してから早くも一ヶ月が立ちました。あの五月一日の、メーデーをも駆逐する勢いの令和慶祝ムードも今ではすっかり落ち着いて、新天皇皇后両陛下の御姿もすっかりお馴染みになってきました。

さて、私は今年はいろいろと音楽的なお仕事に恵まれております。今までそれらしい仕事が全くと言っていいほど無かった私にとって、有り難いことです。

再三お知らせしている早稲田のフルートカルテットのコンサートの後には七月にオーケストラのコンサートがあり、九月には生活圏の海老名市で神奈川県央音楽家協会主催のガラ・コンサートと、沢山のコンサートに出演させて頂きます。そして先日、その中の九月のガラ・コンサートで演奏するオリジナルオペラの楽譜が届きました。

これは現在の厚木市七沢辺りに伝わる『久助話』と呼ばれる民話を基にした小オペラで、二人の歌手とピアノ・フルート・ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロという小編成の作品です。作曲は、神奈川県央音楽家協会員の作曲家・池田文麿氏です。

お話としては、いわゆる彦一ばなしのようなトンチ話です。私の実家のある茨城県央部でも『たっつぁいのちくぬき(嘘つき)話』という民話が伝わっていますが、下の身分の者が上の者をトンチでやり込めるというこの手の話は日本中にあるようです。

この話に出てくる久助も主をいろいろとやり込めていて、主としては苦々しく思っていました。ある日のこと、主は久助に

「厚木のお天王様(現在の厚木神社)まで、お前一人だけで駕籠に乗せて連れて行ってくれ。そうしたら盆の休みを三日やる。ただし一度でも地面に駕籠を下ろしたら、盆の休みは帳消しだぞ。」

と無理難題をふっかけます。考えた久助は駕籠に主を乗せると自分と反対側の駕籠かき棹に石を括り付けてバランスを取り、一人駕籠でお天王様を目指しました。

今は相模川沿いにあるお天王様=厚木神社ですが、明治になるまではもっと内陸部、現在の厚木市栄町付近にありました。それでも七沢から栄町まででもかなりの距離がありますから、力自慢の久助もさすがに休憩したくなりました。しかし、ちょっとでも地面に駕籠をつけたら盆の休みは帳消しです。

さて、思案の上で久助がしたことは…。

音楽的には『あまんじゃくと瓜子姫』や『おこんじょうるり』を作曲した林光氏のような和テイストのライトな感じで、老若男女に楽しんで頂けるのではないかと思います。コンサートが近くなったら改めてお知らせしますので、楽しみにしていて下さい。
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