先日、文化の日にピアノトリオを聴きに行った時に、いずれ機会があったら一緒にピアノ四重奏をやろうという提案をしました。これはいずれ実現させたいと思っているのですが、さて一口にピアノ四重奏曲と言っても数多あるわけです。そこで、どんな作曲家が作品を遺しているのかを調べてみることにしました。
当初は、いわゆる今日言うところの『室内楽』という分野を確立したヨーゼフ・ハイドン辺りからか…と思っていました。しかしハイドンは、ピアノ三重奏曲は沢山書いているものの四重奏曲は無いということが分かったのです。ちょっと意外でしたが、考えてみるとハイドンのライトな作風には中音域の厚みのあるピアノ四重奏よりは、各人がソリストのようにスマートに立ち回れる三重奏の方が向いている…ということもできそうです。
ではピアノ四重奏曲が登場するのはどの辺りからかと調べてみると、有名どころではモーツァルトの作品が一番古いようです。勿論モーツァルトはピアノ三重奏曲も書いているのですが、自身で室内楽を奏するときに好んでヴィオラを弾いていたこともあり、またちょうどウィーンのホフマイスター社から
「アマチュア向きのピアノ四重奏曲を3曲連作で作ってほしい」
という依頼もあって書きたくなったのでしょう。
ただ、最初に作曲した《ピアノ四重奏曲第1番ト短調》を受け取った出版社から
「暗いし、難解過ぎて一般受けしそうにない」
というクレームがあった(終楽章はト長調に明るくなるのですけどね…)ためにモーツァルトが契約解除を申し入れ、その後に続く《ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調》は別のアルタリア社から刊行されましたが、第3のピアノ四重奏曲は遂に作曲されることはなかったのです。もしもホフマイスター社が余計なことを言わなければ、後世にもう一曲名作が遺されたかも知れない…と思うと残念でなりません。
モーツァルトの後にはベートーヴェンやウェーバー、メンデルスゾーン、ブラームス、フォーレ、意外なところではマーラーといった作曲家がピアノ四重奏曲を遺しています。どれも難曲ですがいい曲ばかりなので、チャンスがあればいろいろと手がけてみたいと思います。
ということで、今宵はピアノ四重奏曲の先駆けとなったであろうモーツァルトの第1番ト短調を、第1楽章だけですがお楽しみ下さい。
Mozart, Quartetto con pianoforte K. 478 - I: Allegro (score)
当初は、いわゆる今日言うところの『室内楽』という分野を確立したヨーゼフ・ハイドン辺りからか…と思っていました。しかしハイドンは、ピアノ三重奏曲は沢山書いているものの四重奏曲は無いということが分かったのです。ちょっと意外でしたが、考えてみるとハイドンのライトな作風には中音域の厚みのあるピアノ四重奏よりは、各人がソリストのようにスマートに立ち回れる三重奏の方が向いている…ということもできそうです。
ではピアノ四重奏曲が登場するのはどの辺りからかと調べてみると、有名どころではモーツァルトの作品が一番古いようです。勿論モーツァルトはピアノ三重奏曲も書いているのですが、自身で室内楽を奏するときに好んでヴィオラを弾いていたこともあり、またちょうどウィーンのホフマイスター社から
「アマチュア向きのピアノ四重奏曲を3曲連作で作ってほしい」
という依頼もあって書きたくなったのでしょう。
ただ、最初に作曲した《ピアノ四重奏曲第1番ト短調》を受け取った出版社から
「暗いし、難解過ぎて一般受けしそうにない」
というクレームがあった(終楽章はト長調に明るくなるのですけどね…)ためにモーツァルトが契約解除を申し入れ、その後に続く《ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調》は別のアルタリア社から刊行されましたが、第3のピアノ四重奏曲は遂に作曲されることはなかったのです。もしもホフマイスター社が余計なことを言わなければ、後世にもう一曲名作が遺されたかも知れない…と思うと残念でなりません。
モーツァルトの後にはベートーヴェンやウェーバー、メンデルスゾーン、ブラームス、フォーレ、意外なところではマーラーといった作曲家がピアノ四重奏曲を遺しています。どれも難曲ですがいい曲ばかりなので、チャンスがあればいろいろと手がけてみたいと思います。
ということで、今宵はピアノ四重奏曲の先駆けとなったであろうモーツァルトの第1番ト短調を、第1楽章だけですがお楽しみ下さい。
Mozart, Quartetto con pianoforte K. 478 - I: Allegro (score)