にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
仕事や遊び、色々書き込んでます。お気軽にコメントを書いて下さいね!

偉大なるマンネリズム

2011-01-05 02:13:24 | オーケストラ
昨日はNHKの新春恒例「ニューイヤーオペラコンサート」の本番をNHKホールで。
年末の紅白に匹敵する歴史を誇る長寿コンサートです。

私が東フィルに入った頃、既に伝統が出来上がっていたコンサートです。
その頃は戦後のクラシック界を背負って来た大御所達が最後の輝きを放っていたのです。
そこへ佐藤しのぶさんや市原多郎さんら新世代の歌手が登場して来て世代交代の息吹が見られたちょうど曲がり角。
そんな古き良き時代と来たるべき21世紀がせめぎ合って、でも共存していたのです。

一人の歌手がアリアを思い切り歌う。
そして短くはあるけれどオペラの一場面を切り取るようなアンサンブルもあり。
そんなスタイルは昔と少しも変わっておりません。
特に今年は原点に帰ったようなスタイルでした。

時折ですがそこから敢えて逸脱しようという意図の演出の年もありました。
オケがステージ上に上がってみたり。
去年のように全体を一つのコンセプトで塗り潰したような時も。

元来歌を聞かせる番組ですから余計な事はしなくて良いと思う人もいるだろうし。
いやいや時には変化があっても良いだろうと言う人もいるだろうし。
今年の様なオーソドックスな年が何回か続いた後。
ちょっとひねった年がある。
そんな事を繰り返しながら続いて行くのではないでしょうか。

それから気になる事が。
それはこのホールのピットの構造。
元々ピットと客席を隔てる壁がきちんとした構造物ではありません。
枠に布が貼ってある様な、そんな簡単な構造なのです。
ですから客席の声や物音が全部ピットにそのまま侵入してきてしまう。
昨日も最前列の女性客の話し声がずっと聞こえていました。
歌手が歌っている最中もずっと聞こえていましたから、周囲のお客さんも迷惑だったのではと。
そんな材質のピットに、更に赤く分厚い布が張り巡らしてありまして。
どう考えても音を吸収してしまうのです。
まあ放送用の多目的ホールですから仕方は無いのかもしれませんけど。
新国の広く、ピット内の音を少しも漏らさず客席に届けようという構造のピットになれてしまうと。
狭く音の飛ばないピットは苦労の連続。
薔薇の騎士をあんな少人数で演奏しなければいけないなんて。
とは言えピットを大きくするなんて事は出来ませんので仕方が無いのですが。
数年前、ピットの側面と後ろの壁を全て取っ払って広げた事がありましたが。
結果は・・・・・。

昨日も生放送、
大晦日のカウントダウンも時間との戦いでしたが。
昨日も時間の枠にきちんと最後まで収めるのが大変。
最後の曲が終わってからは放送終了までの時間が短かったですね。
オプションとして最後の乾杯の歌の繰り返しを一回省くという奥の手もあったのです。
が、昨日は何とかなりそうだと言うのでオリジナルの3コーラスで。
なかなかスリリング!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿