にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
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お別れ

2009-09-08 00:55:03 | オーケストラ
今日、新国立劇場オペラ芸術監督「若杉弘」先生のお別れの会が催されました。
会場は新国立劇場の中劇場。
壇上に遺影が掲げられ献花台が設けられていました。

若杉先生が最後に指揮をしたのがここ中劇場。
ドビュッシーの「ペレアス&メリザンド」をコンサート・オペラという形式で上演。
私もしっかりと演奏させていただきました。
実を言えばもうその時既に歩行も困難になられて、車椅子でピットの入り口まで。
痛々しい姿ではありましたが最後まで公演を全うされたのです。

しかし直後の東フィル「午後のコンサート」は指揮をする事も出来ず。
指揮は三澤さんに任せ、先生はどかんと舞台に座って解説と監督と。
これが最後の姿でした。
この後入院されて1年、この夏に遂にお亡くなりになられたのでした。

新国の監督の任期を2年残しての入院、そして1年残しての逝去はさぞや悔しい思いをなされたのではと思います。
後一年新国は監督不在のままでいくのでしょうか。
後任は既に発表されている通りですね。
来年までこのままなのかもしれません。


最初のワーグナーのオペラを演奏した時の指揮者が若杉さん、その時の「ワルキューレ」は今でも鮮明に思い出すことが出来ます。
練習風景にピットの中など、若かった自分の脳にしっかりと焼き付いています。
新国のこけら落としでも「ローエングリン」をやりました。
その他にもR・シュトラウスの「エジプトのヘレナ」なんて難曲もやりました。
「蝶々さん」や「椿姫」などたくさんのオペラをご一緒しました。

颯爽としていた頃の遺影を仰ぎ見ながら献花をしてきました。
大きな喪失感を今このブログを書きながら感じています。
あの声がもう聞けないのですね。
寂しいです。