にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
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ギッシリと中身が詰まった

2006-12-01 01:16:16 | オーケストラ
一分の隙もなく詰まった音楽をこれまた隙のない演奏で。
一瞬も集中の途切れる事なく、モーツァルトの書いた音符をひたすらに最良の形で音にする。
そんな作業に没頭した3日間でした。
まとめとして、仕上げとしての本番はまたゲネプロより一段とステップを上がった演奏となりました。

ジュピターも最初の楽章の出だしこそ反応が鈍くも感じられましたがエンジンが暖まるにつれ音の密度も表現の幅もどんどんと増していき、最終楽章の最後の音が消えたときには今日のコンサートもこれで終わりだと思えるほどの充実感となっていました。
いや本当にコンサートの最後の雰囲気が漂ったのです。
偉大な曲をきっちりと演奏し終わった満足感、チョンさんもいつものカーテンコールの仕草でしたね。
何回目かの入場で「4楽章をもう一回!」とか叫んでいましたが拍手にかき消され近くにいたメンバーにしか聞こえなかったようです。
ある一角だけで爆笑していたのはその為です。
しかしジュピターは凄い曲です。
無駄な音符が一つもない、すべての在るべき音がそこにきちんと存在している。
特に最終楽章も再現部が終わりコーダに突入した途端、それまでの音楽の前進が止まり空間が回転していくような浮遊感が現れる場面が好きですね。
そして其所から圧巻の2重フーガ、4楽章の二つにテーマが追いかけ絡み合い。
それが一瞬にしてフィナーレに変わる瞬間、鳥肌が立つ瞬間です。
長い長い音楽を演奏してきて(今日は繰り返しを全部やりました!)本当に良かったと感じられる瞬間です。
実に凄いなあ。

レクイエムはご存知のようにジュスマイヤーの補筆完成版、所々に力の抜けた音楽が入ってしまっていますがでもこれも実にもの凄い音楽。
前半のジュピターで体力を使い果たした感じにもなりましたが、レクイエムが始まればまたエネルギーが湧いてきます。
曲から湧いてくるんです、演奏しなきゃというエネルギーが。
オペラシンガーズの声、本番は本当に凄かった。
演奏している時間、我々は別の世界に存在したかのようなそんな錯覚を覚えました。
何も余計な事は考えずに淡々と音符を弾く、肉体を超えて魂だけで演奏するかのようなそんな時間。
不思議な感覚を感じながら、このまま時間が止まってしまっても良いと思いながら。
ひたすらに音と向き合っていた気がします。
希有な時間を過ごしました。

さて明日から4日間、私は関東地方を離れ、また世俗からも離れ。
夢の世界へと行って参ります。
ネバーランドへ旅立って来ます。
ブログの更新は帰ってからになる予定です。

それでは皆様。
また後ほど!