インテュイション/TNT(1989)
1.ア・ネイション・フリー
2.コート・ビトウィーン・ザ・タイガー
3.トゥナイト・アイム・フォーリング
4.エンド・オブ・ザ・ライン
5.インテュイション
6.フォーエバー・シャイン・オン
7.ラーン・トゥー・ラブ
8.オーディナリー・ラバー
9.テイク・ミー・ダウン(フォールン・エンジェル)
10.ウィスダム
就職した時、同期入社にメタラーがいた。彼はBURRN!の熱心な読者であり、そっち方面の知識は豊富だった(笑) “様式美”とか“拡散美”とかいう言葉を知ったのも、メタリカやメガデスの名前を聞いたのも、全て彼を通じてだった。ま、丁度いい機会でもあり、今まで聴いた事なかったHR/HM系を、あれこれと聴かせて貰ったが、そんな中で気に入ったのがTNTだった。
TNTと言っても知らない人も多いだろう。ノルウェーのバンドで、1983年にデビューしたそうな。僕が例のメタラーから最初に聴かせて貰ったのは、1984年の2nd『ナイツ・オブ・ニュー・サンダー』だった。実にオーソドックスなスタイルのハードロックで、1曲目の「セブン・シーズ」やラストのタイトル曲にも顕著な、メロディアスな曲調とドラマチックな展開もツボだった。テンションの高い曲が並ぶA面と比べ、B面になると気の抜けたような曲が続くのもご愛敬で(笑)、良くも悪くもB級の香りがするのもよかった。後追いだったけど、僕にとってTNTは注目のバンドとなったのである。
続く3rd『テル・ノー・テイルズ』(1987年)で、TNTはポップな作風に路線変更する。アメリカ進出を視野に入れていたのだろう。元々曲作りに長けたバンドだったこともあり、前作にあった重厚さは消え、スピード感に溢れたキャッチーな曲が並ぶアルバムとなった。とはいえ、すっかりアメリカンになってしまった訳ではなく、どことなく北欧のバンドらしい叙情性を感じさせたりもして、そこがまた良かった。よく聴いてたなぁ。
そして、1989年に発表されたのが、この『インテュイション』である。前作でのポップな方向性をさらに推し進めた本作は、見事に構築されたサウンドも併せ、実に完成度が高い。TNTの代表作と言ってもいいのではないか。アメリカをターゲットにしたメロディックなハードロック路線は、本作でひとつの到達点に達した。
この頃、日本ではTNTは結構人気あったと思う。1989年の8月に彼らは初来日公演を行っており、実は僕も見に行ったのだが(笑)、渋谷公会堂はほぼ満員だった。PVもちょいちょい見かけたし。
収録曲は、どれも粒よりだが、僕にとって忘れる事の出来ない名曲が「トゥナイト・アイム・フォーリング」である。キャッチーでありながら、そこはかとなく哀愁を漂わせ、これでもかと琴線に触れてくるメロディは秀逸の一言。心の中に眠っていたものを呼び覚まし、聴く度に切なくなってくる叙情性、もうたまらんのである(笑) 青春のメロディと言ってもいいのではなかろうか。10代の頃、この曲を聴いて洋楽に目覚めた人もいると思うが、その人たちにとっては、耳にするたび、昔を思い出して感傷に浸ってしまうような曲であるに違いない。僕ですら、今でも「トゥナイト・アイム・フォーリング」を聴くと、1989年の夏をやや感傷的に思い出してしまうくらいなんだから、その時の僕より、ずっと若く感受性も豊かな年代の人たちが、感傷的にならない訳がない。丁度、僕が「ボヘミアン・ラプソディ」を聴くたびに感傷的になるのと同じように。しかも、バラードではないのが、またいいのだ(笑)
多分、TNTでは、このアルバムを一番よく聴いたと思う。当時のハードロック系には珍しく、バラード系が少なく、アルバム全体が適度な疾走感に溢れていて、車の中で聴くには最適だった。やや固いとはいえ、ハイトーンのボーカルも爽やかだったし(笑)。産業系に近い感触もあった。同じ北欧のヨーロッパほど、ベタな売れ筋ではないけど(笑)
しかし、残念ながら、この後TNTは失速し、数年後に解散してしまう。僕は『インテュイション』以後のTNTのアルバムを聴いてないので、何とも言えないのだが、やはりアメリカで売れなかったのが影響したらしい。惜しいなぁ。いくらメロディアスでポップと言っても、下世話でないハードロックなんて、やはりアメリカでウケないのだろうか。確かに、破綻がなく、キレイにまとまり過ぎ、という感じもしなくはない。ただ、センスもテクもあると思うけど、ソロになると突如ブッ飛んだフレーズを繰り出すギターは、相当破綻してるんじゃないかと(笑)
ま、そんな訳で、最近ふと思い立って、この『インテュイション』をBOOK OFFで買ったのである。コーナーが作られるほど、TNTのCDはたくさん並んでいた。中古屋にたくさん並んでいる、という事は、昔売れたという事だ。やっぱり、それなりに人気あったんだな。彼らは、解散と再結成を繰り返しながら、今も現役だという話だ。興味があったら聴いてみて(笑)
とにかく、「トゥナイト・アイム・フォーリング」は名曲なのである。いや、他の曲もいいけどね。タイトル曲とか「フォーエバー・シャイン・オン」とか「テイク・ミー・ダウン」とか。同感という人が一体どれくらいいるのか分からないけど(笑)
高校生の頃、知り合いからもらったヤングギターを頼りに買ったのが本作でした。
そして何気なく聴く中で、タイトル曲とTonight I'm Fallingは青春の名曲となりました。
今でも聴くと当時を思い出します。
>俺も大好きなアルバムです
おおっ、やはりそうでしたか。TNTは当時結構人気だったし、僕らより若い世代にファンはいると思ってました^^
>そして何気なく聴く中で、タイトル曲とTonight I'm Fallingは青春の名曲となりました
ほんと、この2曲は名曲ですよね。近頃では、こういう曲をやるHR系バンドっていない、と思うのですが、どうなんでしょう? メロディアスなロックの良さを知らないなんて、なんだか気の毒です。
メロディアスものも好きですが
疾走感あふれるのってやっぱり良いですよね
今も活動してるんですね
アンヴィルといい、やはりHR/HMって
息が長いヤツが多いね
古いパチンコ台かと思ってしまいました(おい)
買わずにCD借りて起こした・・・はず。
うん、買ってないわ(^^ゞ
当時B!誌買ってた時期でした。
げ、何年も聴いてない(^^ゞどんな音かも忘れてしまった(汗)
ヒマな時に聴いてみます。
>えせメタラー(爆)の私ももちろん持っておりました
おおっ、BBさんも押さえてましたか! つーか、BBさんって、前にも言いましたけど、メタラーというよりソウルマンのような感じです^^
>アンヴィルといい、やはりHR/HMって
>息が長いヤツが多いね
昔は、こういう音楽は、若い者が演るものと思ってましたが、そうでもないのですね。何しろ、ジューダスやメイデンが超ベテランの域に達してますし^^;
♪いまちさん
>古いパチンコ台かと思ってしまいました
う~む、言われてみれば確かに...(笑)
♪アデリーペンギンさん
>これ、テープ持ってます
>買わずにCD借りて起こした・・・はず。
実は、僕も当時テープで聴いてました。買ったのは最近です^^;
>げ、何年も聴いてない(^^ゞどんな音かも忘れてしまった(汗)
では是非聴いて下さい。でも、どんな音か忘れた、という事は、あまり印象になかったのでしょうか?